確かに局面での選手個々のクオリティーの高さでは違いを見せつけられたものの、チームとしては自分たちが自信を持っている戦い方を貫くチャレンジャーとしてのマインドを示し、上位カテゴリーのチームに対してもある程度やれるという手ごたえを感じていた選手は少なくなかった。
「僕らはカテゴリーが下なので、僕らとやるのがしんどいと思わせる展開にしなければいけないので、まずはしっかりとプレスを掛けたり、ボールを握るという自分たちの良さをレイソル相手にもできれば、十分にチャンスはあると思う」(齋藤 学) その上で、柏とぶつかる今季の1stラウンド1回戦ではJ1クラブの壁を越えることが大きなチャレンジになるが、前回はやはり攻守におけるゴール際のところにカテゴリー差が如実に表れることをあらためて痛感させられた大会だった。
ただ、リーグ戦ではここまでの4試合で1失点とゴール際で踏ん張り切る粘り強さを見せられている。もちろん未然にピンチを防ぐことに越したことはないが、それ以上にチーム全体でボックス内の守備で体を張って、失点を最小限に食い止められていることは前向きな材料だ。
一方で攻撃面は、昨季ほどのチャンスは作れず、自分たちが意図した形でゴール前まで迫れていないのが現状だ。そういったチームとしての課題を抱える中、期待したいのはチャンスを虎視眈々と待っている選手たちの奮起だ。
特に今季、徳島から育成型期限付き移籍で新加入した鈴木 輪太朗 イブラヒームにとっては特別な一戦だ。今季から柏を率いているリカルド ロドリゲス監督が徳島で指揮を執っていた頃に徳島の練習に参加し、「そのときに自分を取ってくれたのがリカ(リカルド ロドリゲス監督)だった」という恩師との対戦となるからだ。再会を心待ちにしているストライカーは、アピールの場ともなり得るこの一戦に向けて「立ち位置的に失うものはない。やっぱりFWは結果を出すのが一番。ミスしても気にせず、果敢にゴールに迫っていくことがアピールになる」と決意を語る22歳のストライカーには注目したい。
ただ、リーグ戦で好スタートを切った柏が強いチームであることは間違いない。日本でも実績豊富なスペイン国籍指揮官の下、J1で3勝2分1敗と好成績を残しており、ポゼッションスタイルが着実に浸透してきている。
チャレンジャーとして挑む沼津は壁を越え、クラブ初のJ1からの金星を飾れるか。もしくは柏がチームとして完成度の高さを示して圧倒するか。その結末に注目だ。
[ 文:森 亮太 ]