富山は昨季、J2、J3まで出場枠を広げた新方式の申し子として格上の山形、清水、神戸を倒し、J3勢で唯一、ホーム&アウェイのプレーオフラウンドまで勝ち進んだ。これを通じて数多くの選手が経験を積みながら自信をつけ、チーム力が向上。最終的に11年ぶりのJ2復帰につながった。J1王者を破った3回戦には8,223人、プレーオフラウンド第2戦・札幌戦には7,701人がホームに来場し、クラブに対する関心度を高める効果も大きかった。できれば今年も多くの収穫を手にし、J2での飛躍につなげたい。
一方の千葉は昨季、1回戦で鹿児島に0-1で敗れた。鹿児島と同様に、今季もJ3からの昇格組が1回戦の相手だ。リーグカップは2005、2006年と連覇を果たしている縁がある大会。リーグ戦で絶好調なぶん、サポーターもカップ戦でも勝ち進んでいく姿を楽しみにしているだろう。まずは初戦を突破したい。
直近のJ2第6節では、富山、千葉とも立ち上がりにアンラッキーな形で先制点を許し、追いかける展開になった。富山がそのまま0-1で鳥栖に敗れたのに対し、千葉は後半に入ってPKで追いつき、ラストプレーのCKの流れから安井 拓也が押し込んで甲府から劇的な逆転勝ちを収めた。千葉は第5節・愛媛戦でも先制を許しながら5得点を挙げて逆転勝ち。リーグトップの17得点を挙げている攻撃力を背景に力強い戦いを続けている。
一方の富山は2試合連続で無得点に終わっており、今後も勝点を重ねていくには得点力アップが欠かせない。日々の地道なトレーニングによってチャンスを増やし、決め切るための精度を上げていきたい。第5節・今治戦、鳥栖戦ともに得点のチャンスはあっただけに、攻撃陣のあと一押しに期待がかかる。鳥栖戦は、負傷で離脱していたキャプテンの吉平 翼と、全国高校サッカー選手権で活躍した流経大柏高卒のルーキー・亀田 歩夢が後半途中から今季初出場を果たして攻撃を活性化させた。中2日の連戦となる今回は、その2人をはじめ、リーグ戦で先発していない選手たちに出番が巡ってくるとみられる。千葉には石川 大地や杉山 直宏、日高 大、林 誠道、吉田 源太郎ら、かつてJ3でプレーした選手が在籍する。“オリジナル10”の名門クラブで主力を担う彼らは、J3から昇格してきたばかりの富山に所属する若手にも良い目標となるだろう。新戦力の台頭があるか、注目だ。
[ 文:赤壁 逸朗 ]
