今治はJ2初陣となった開幕戦こそ惜敗を喫したものの、その後はリーグ戦で8試合負けなし。現在、4位の好位置につける好調ぶりが目立っている。
今治は高い守備の強度を誇るとともに、試合を通して恒常的なハードワークを繰り返す走力など、優れた組織力に強みを持つ。それに加え、秋田の小松 蓮と並んでJ2得点ランキングのトップに立っているマルクス ヴィニシウスと、ウェズレイ タンキによるブラジル国籍2トップの個の力を生かし、力強くゴールをこじ開けるスタイルがかみ合っている印象が強い。
また、J2徳島と対戦したJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦ではその直近の明治安田J2第8節・長崎戦から完全ターンオーバーで臨んで勝利をつかみ、チーム総力の底上げに成功した。
その試合では前半こそ苦戦を強いられたものの、持ち前の粘り強い守備で危機をしのぐと、後半にFWの日野 友貴と藤岡 浩介がそろって今季公式戦初ゴールをマーク。チームを活性化させるポジティブな空気も生まれた。
しかし、今回対戦するJ1C大阪との戦力差を考えれば「攻撃する時間は少なくなる」と倉石 圭二監督は守勢に回る展開を覚悟。まずはチームが強みとするハードワークをベースとした粘り強い守備で対応し、数少ないチャンスをモノにしたい。
「チームメートも自分と浩介くんが少ないチャンスでも決める力があるというのは分かってくれている」(日野 友貴) 徳島戦で日野 友貴の一発が試合の流れを大きく変えたように、C大阪に対してもこの2人が得意とする裏抜けからのカウンターは勝利への大きなカギになるだろう。
今治に胸を貸す立場になるC大阪は、明治安田J1で思うように上位浮上へのきっかけをつかめずにいたが、リーグ前節ではホームで相性の悪い鹿島に対して攻撃的なスタイルを存分に発揮。終始攻勢に出る展開も、何度となく揺らしたゴールはことごとくオフサイドの判定でもどかしい状態が続いていたが、スコアレスで迎えた終了間際にCKから最後は進藤 亮佑の渾身の一発が決まって劇的な勝利を収めた。アーサー パパス監督はエキサイティングな試合展開に「今日の選手たちのパフォーマンスは最高でファンタスティックでした」と選手たちへ最大の賛辞を送っている。
1回戦ではJ3讃岐と対戦。リーグ戦の主力を惜しげもなく投入し、1-0で迎えた後半開始早々にオウンゴールで同点に追いつかれるも、その後は怒とうのゴールラッシュ。5発大勝で格の違いを見せつけた。
リーグ戦の狭間に行われる今回の2回戦は中3日の過密日程を考慮すれば、1回戦のように主力中心で臨むことは考えにくい。ただそれでも、厚みのある戦力が今治に対してアドバンテージとなることは言うまでもない。讃岐戦同様、J1チームとしての格の違いをアウェイで見せつけることができるだろうか。
[ 文:松本 隆志 ]
