柏は3点差のアドバンテージはあれど、もちろん油断は禁物で、それはリカルド ロドリゲス監督が第1戦後に「試合はまだ終わっていません。残り90分残されています。しっかりと回復して、日曜日の試合に向けてより良い準備をしていきたいと思います」と締めくくったように、チーム全体で十分に理解している。一度勢いに乗れば手がつけられないほどに脅威を増すのが東京V。第1戦の前半序盤のように相手に前線から守備でハメられたときには、焦れずに、得点を許さずに戦い、中盤の配置を修正しながら巧みにはがして前進していきたい。
第1戦はボランチで先発起用されて試合の流れを変える先制点を奪った中川 敦瑛は、試合後に守備の重要性を説いていた。
「チームとしてもよく耐えたなと。あそこを耐えられたから先制点が取れたのかなと思います。あらためて失点しないことはホーム&アウェイだと大事になってくるので、守備陣に感謝したいなと思いました」 一方で、その前半序盤のような戦い方を継続していきたいのが東京Vだ。深澤 大輝は、前から守備に行く際に「どう行くかというのは、もっと統一感を持ってやらないといけなかった」と第1戦を振り返り、こうも語っている。
「前半、ああいうふうに入りのところは行こうという意思統一ができていたから、みんなで行けていた。けれど疲れてきて行くのか行かないのかとなったときに、バラバラになってそこのスペースを使われてしまった」 プレスを掛けるのか、それとも待つのか。その統一感は、可変システムを採用する柏に対してはカギとなる。スコアレスドローに終わった明治安田J1第19節・福岡戦、敗れた柏戦と、直近の公式戦2試合はともに入りは良かったはずだが、その流れを継続できていない。城福 浩監督は「かなり誤解を恐れずに言えば、良い入りをしてそれで満足してしまっている」と言い、原因をこう語っている。
「前半でまだエネルギーがあるのに動き出さない。明らかに動き出せるタイミングで、あんなに良い入りをしたのに5分後にもう動き出せないというのは、メンタルの問題があると思います。それが直せるものなのか、修正できるものなのか。われわれは辛抱強く取り組む。そして、もちろんプロなので同じ選手にチャンスがあるわけではない。フェアに見てあげたいです」 そして、3点ビハインドという状況でも三協F柏まで駆けつけたサポーターに向けて、期待を持たせる戦いぶりを見せたい。
「(第1戦後に)ゴール裏へ挨拶に行っても、サポーターたちから『俺たちあきらめていないんだぞ』という雰囲気を感じましたし、もちろん選手もあきらめていないです。本当にサポーターの声援がすごく力になっています。僕らは3点以上を取って勝つしかない、やるしかない状況なので、サポーターの声援に応えたいなと思います」(深澤 大輝) “180分間の前半”が終わっただけで、まだ何も決まっていない。8強へと進むのは、柏か東京Vか、“後半”に注目だ。
[ 文:藤井 圭 ]
