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【第85回天皇杯4回戦:柏vs神戸 レポート】カードが乱れ飛ぶ大乱戦。柏がJ1残留争いのライバル・神戸をPK戦の末に下す(05.11.03)

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11月3日(木・祝) 第85回天皇杯 4回戦
柏 2-2(3PK1)神戸(13:01/柏/2,738人)
得点者:1' 朴康造(神戸)、36' 金古聖司(神戸)、70' 大谷秀和(柏)、78' 宇野沢祐次(柏)
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J2降格危機に瀕する柏レイソルとヴィッセル神戸の直接対決。勝った方はJ1残り5試合に弾みをつけ、敗れた方は大きなダメージを被る…。そういう意味で注目された3日の天皇杯4回戦(日立柏サッカー場、13時キックオフ)。

ところが試合は予想外の方向に進んだ。前半は神戸が素晴らしい滑り出しを見せ2点をリード。このまま楽勝かという雰囲気さえ漂った。しかし後半23分に小島宏美がレッドカードで退場するや否や、流れが一気に変わってしまう。柏は2点を取って同点に。さらに、神戸の2人が2枚目のイエローカードで退場し(86分に佐伯、89分にマルティン)、11対8という前代未聞の数的不利状態で延長戦に突入した。一方、圧倒的優位に立った柏だが、逆に相手の開き直った守備に戸惑い、延長戦の30分を戦っても無得点。最終的にはPK戦の末、柏が辛くも勝利を収めた。しかし、イエローカード10枚、レッドカード3枚が乱れ飛ぶ乱戦は後味の悪さも残した。

この試合を迎えるに当たり、先月29日大宮アルディージャ戦で採った4-3-3から本来の3-5-2に布陣を戻した柏・早野宏史監督。指揮官は加えて玉田圭司、レイナウドの2トップを温存し、本調子でないフランサをあえて抜擢。試合勘を取り戻させるためにピッチに送り出した。
対する神戸・パベル ジェハーク監督は現状での最強メンバーを起用。22日の千葉戦から採っている4-4-2は変えなかったが、遠藤彰弘の出場停止によって構成の変更を余儀なくされた。最終ラインはマルティンが右サイドを担い、センターバックに金古聖司、北本久仁衛、左に坪内秀介。中盤はダイヤモンド型で、守備的な位置に佐伯直哉、右MFに朴康造、左MFに小島宏美、トップ下にイヴォ。2トップは平瀬智行と栗原圭介のコンビである。

まず主導権を握ったのは神戸。開始1分、左に開いた平瀬からのロングパスに絶妙のタイミングで飛び込んだ朴が鋭いシュートを放ったのだ。まだ落ち着いていなかった柏守備陣は奇襲に戸惑い、そのままゴールを許してしまう。「天皇杯だからという気持ちがどこかにあったのかも」と小林亮も悔やむ失点だった。
神戸は、この後も積極的に攻めた。大宮戦同様に守りが落ち着かない柏をボール回しで崩し、何度かいい形を作った。特にキレていたのが先制弾を挙げた朴。彼のタイミングのいい飛び出し、ドリブル突破、守備面の貢献度の高さは賞賛に値した。36分にはその朴が2点目を演出する。イヴォからのパスを受けた朴が右サイドをえぐり、精度の高いボールを中央へ折り返す。ここにフリーで待ち構えていたのが金古。彼の左足シュートが決まり、神戸は2-0で前半を折り返した。
だが試合はこのままでは終わらなかった。ハーフタイムでフランサと波戸康弘を下げ、若い矢野貴章と小林祐三を投入した柏は一気に流れを引き寄せた。4分には「いつもサテライトで一緒にやっていたからやりやすかった」という宇野沢とのワンツーから矢野がゴール前に抜け出す決定機を作る。これは得点には結びつかなかったが、流れは確実に柏へと傾いた。
それを決定的にしたのが、後半23分の神戸・小島の退場。本人は「イエローカードは覚悟していたけど、まさか退場とは…」と絶句したが、これで神戸の集中の糸が切れてしまう。1人少なくなる直前にパベル ジェハーク監督は栗原と和多田充寿を代えていたが、交代枠はまだ2つ残っていた。この時点で田中英雄らを起用して守備固めをする策もあったが、指揮官はそれを選択しなかった。この采配が裏目に出る。柏が1点を返したのは小島退場の2分後。大野の左CKを増田が頭で落とし、ファーサイドにいた大谷がヘディングでゴール。「あれを外したらまずいでしょう」と本人も話す完璧な崩しだった。そして33分には大野からの長めのスルーパスに反応した宇野沢が右足シュートを叩き込み、とうとう柏が2-2に追いついた。

このまま延長戦に持ち込めれば神戸としても御の字だったのかもしれない。が、悪いことに佐伯、マルティンが立て続けに退場。ピッチ上は8人だけに…。これで90分間が終了し、延長戦に突入した。
柏にしてみれば、どこからでも点が取れる状況だったはず。しかし、彼らは3人の数的優位を生かせない。「個々のスキルの問題を露呈した。選手たちは自信をなくしている」と早野監督も話した通り、選手たちは逃げ腰になってしまった。神戸は追い詰められたことで逆に守備に集中。「PKまで持ち込んで勝とうという共通意識があった」と北本が言うように、ここに来て鉄壁の守りを見せた。試合は神戸の狙い通りにPK戦へ。すでに120分戦って消耗し、次のリーグ戦に3人もの欠場者を出すことが決まった彼らは勝つしかなかった。その闘志がGK本田征治に乗り移ったのか、柏の1人目・クレーベルのPKをセーブ。彼は喜びのあまりゴール裏に向かって派手なガッツポーズを披露した。挑発された柏サポーターが騒ぎ出し、レフェリーは本田に警告を出す。これでまたもや流れが変わってしまった。柏の守護神・南は神戸の2人目・和多田を止め、3人目の北本のミスを誘い、さらに金古の右足シュートを止めた。柏は2人目以降がそのまま決めて、PK戦は3-1で長かった試合はようやく幕を閉じた。

内容的には不満な部分も多かったが、勝った柏にとってはリーグ戦につながる勝利となった。逆に神戸にとっては最悪の結末。「次の川崎F戦(11/12・等々力)まで10日もある」と話すパベル ジェハーク監督は、いかにしてチームを立て直すのか。この一戦が今後のJ1残留争いにどうつながっていくのかが気になるところだ。


以上

2005.11.03 Reported by 元川悦子
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