8月30日（日）J2 第36節 愛媛 vs 東京Ｖ（19:00KICK OFF/ニンスタ）
スカパー！生中継 Ch185 18:50〜（解説：大西貴、実況：三宅きみひと、リポーター：重橋秀香）
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第3クール初戦を白星でスタートした愛媛は、第1クール以来の連勝中。対する東京Vは前節、富山に敗れて第3クール黒星スタートで現在は4試合未勝利。対照的な形で第3クールを迎えた両者だが、第2クールの対戦時（7月5日第25節＠味スタ）は正反対の状況にあった。今回ホームの愛媛は連敗中、その後に迎える長いトンネルの入り口にいた。一方で、その一戦に勝利を収めた東京Vは3連勝を達成。負け無し試合を7にのばすと、その後も徳島を４−０、栃木を３−０で下すなど10戦負け無しの快進撃で第2クールに躍進を果たした。

そこから見れば、ここのところ昇格争いで足踏みをしてしまった東京Vだが、特に前節はFW大黒将志と平本一樹を一度に出場停止で欠いたことが勝敗に響いた。シュート5本の富山に敗れた東京Vだったが、試合内容では圧倒していただけに勝点0は悔やまれる結果。レアンドロや河野広貴、あるいは柴崎晃誠が絡む中盤のパスワークでポゼッションを続け、シュートも富山の倍以上の12本を放っている。そして、第1クールのニンスタではゴールを決めているFW林陵平の高さを生かそうと試みたが、最後まで富山のゴールネットを揺らすことができずに敗れた。その決定力を欠いた前節の戦いを振り返れば、大黒らの復帰は今節の東京Vにとって大きなプラス材料。連勝中の愛媛としても、7試合失点が続いている守備陣にとっては警戒すべき要素となる。

そこで愛媛にとって今節の鍵となるのが新戦力の存在。前節ベンチ入りしたチアゴは、練習生として既に1ヶ月以上愛媛でトレーニングに参加し、出場のチャンスも高まってきた。「センターバックには力強さも必要だが、技術の部分も見て欲しい」と語るが、アライールのように1対1で抜群の強さを発揮するタイプではないものの、的確なポジショニングでスペースを埋める。その点では東京Vの攻撃に愛媛のディフェンスラインがどう対応するか、ボールがないところでも彼らのかけひきを含めた攻防は今節の楽しみとなる。

さらに愛媛は金曜日に、愛媛FCしまなみからMF渡邊一仁の登録を発表。チアゴやFWドドの他にもMF持留新作やユースのFW岡本剛史ら、愛媛は8月だけで6人を新たに登録し、第3クールの巻き返しに向けて戦力を整えた。その中で、今節で言えばサンフレッチェ広島から加わったMF内田健太に注目したい。彼は先週まで行われていたU-20日本代表のアルクディア国際ユーストーナメント2009に参加。準決勝のバレンシア戦ではゴールも決めている左サイドのアタッカーだ。帰国後、水曜日に愛媛の練習に合流したばかりだが、既に紅白戦でも存在をアピール。「強引にしかけるところもあるし、左足からのミドルシュートも得意にしている」と本人は自らのセールスポイントを語ってくれたが、さっそく東京V戦で出場する可能性も高い。「ベン（大木勉）が抜けて収めるFWがいない」と望月一仁監督が苦慮する攻撃だが、内田を加え、中盤まで含めたメンバーの組み替えで愛媛がどのような攻撃をしかけられるか、守備同様に新戦力が出場すればチームが大きく変わる可能性もありそうだ。

新戦力という点では東京Vも前節、清水エスパルスから加入した廣井友信が出場を果たした。さらに、水曜日には山形から馬場憂太の獲得を発表。こちらも新しい戦力の活躍に期待が高まる。順位は違っても、1試合1試合勝ち抜かなければならない両チームの第3クール。愛媛にとっては連勝の勢いを増したいゲームになるし、東京Vにとっては昇格に向けて再び進撃を始めたい一戦。そこに新戦力がどのような影響を与えるか、今節はそこが最大の焦点になりそうだ。

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2009.08.29 Reported by 近藤義博