明治安田生命Ｊ１リーグ 1stステージも10試合を消化し、優勝争いが俄然熾烈を極めるなか、今節も見応え十分の注目カードが目白押しだ。
なかでも熱い戦いが期待できそうなのが、大宮vs浦和のさいたまダービー。首位をひた走る浦和を5位の大宮が迎え撃つ大一番だ。ともに4月は負けなしで、大宮は5月初戦の前節も福岡に快勝（浦和はＡＣＬのためＪ１の試合はなし）。好調を維持する両者の激突なだけにハイレベルの攻防が繰り広げられることが予想される。ポゼッションに秀でる浦和に対し、大宮はどのような戦いで挑むのか。チーム戦術、局面の争い、ライバル心がみなぎるゴール裏の熱いバトルも含め、2年ぶりのさいたまダービーを見逃す手はない。
柏vs川崎Ｆも優勝争いを左右するビッグマッチとなった。5連勝と勢いに乗る柏に対し、川崎Ｆも開幕から変わらず好調を維持している。若手が躍動する柏は、5試合連続無失点の堅守が光る。川崎Ｆはリーグ最多得点を記録する破壊力満点の攻撃力を備える。4月20日のＪリーグヤマザキナビスコカップでは2-1で柏が勝っているが、メンバー構成も変わる今回の一戦ではそのデータも参考にならないだろう。果たしてどちらのストロングポイントが勝るのか。激戦は必至だ。
磐田と鹿島の一戦も見逃せない好カードだ。90年代後半から2000年代前半にかけて無類の強さを誇った両雄の激突は“ナショナルダービー”と謳われたほど。それぞれ当時とは置かれる状況が変わったとはいえ、その激しいライバル心はいまなおクラブ間に横たわっているだろう。当時の想いを知る両指揮官にとっても感慨深い試合となるはずだ。ともに上位争いに踏みとどまるためにも負けられない一戦に。技術や戦術を超越した、心揺るがすほどの熱いバトルを期待したい。
前節ともに快勝を収めた名古屋と神戸の一戦も興味深い。名古屋はエースのシモビッチに加え、前節は川又 堅碁が今季初ゴールを記録するなど攻撃陣が充実してきた。神戸もレアンドロ、ペドロ ジュニオール、渡邉 千真とこちらも前線にハイレベルなタレントをそろえる。両チームのスタイルを考えれば、激しい撃ち合いも予想される。
2連勝と調子を上げてきたのは湘南。今節はFC東京をホームに迎える。持ち前のアグレッシブなスタイルを取り戻しつつある湘南は、ここ2試合無失点と集中力の高い守備も復活。FC東京を撃破し3連勝を達成すれば、そのまま上昇気流に乗っていく可能性もある。一方のFC東京は水曜日のＡＣＬでノックアウトステージ進出を決め、こちらも良い流れにある。ただし、酷暑のベトナムで激闘を演じたダメージは小さくないだろう。選手起用も含め、城福 浩監督の采配に注目だ。
3連敗中と失速気味なのが横浜FM。なかでも前節は名古屋の術中にはまり3失点と完敗を喫している。対戦相手の甲府も4試合勝ち星から見放されており、状態は決して良いとは言えない。中村俊輔、クリスティアーノとお互いに大黒柱の存在がよりどころとなるだろう。
7試合勝利がない仙台は最下位に沈む福岡とのホームゲーム。いずれも厳しい戦いが続く中、苦境からの脱却を実現できるか。新潟とＧ大阪もテーマは同じ。とりわけ新潟は守備に大きな不安要素を抱えており、ここを改善できないようだと、復調は難しい。破壊力を秘めたＧ大阪攻撃陣に粘り強く対処したい。
広島はホームに鳥栖を迎える。水曜日のＡＣＬで浅野 拓磨が復帰したのはなによりの好材料。この試合で早速ゴールを奪った若きエースのパフォーマンスが注目ポイントとなる。対する鳥栖は前節湘南に敗れ、連勝はならなかった。なかなか波に乗れない戦いが続くが、豊田 陽平を軸とした攻撃で広島の隙を窺いたい。
■各試合の見どころをチェック
柏vs川崎Ｆ
名古屋vs神戸
横浜FMvs甲府
仙台vs福岡
大宮vs浦和
湘南vsFC東京
新潟vsＧ大阪
広島vs鳥栖
磐田vs鹿島
