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コラム

百年構想のある風景

2015/1/30 10:00

グリーンスタジアム

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緑色は、4話でご紹介したように、環境政策を示す色である。『Wald-stadion 森のスタジアム』の名で愛されているドイツ:フランクフルトのスタジアムは、街中にありながら、周囲を森に囲まれた近代的な大きなサッカー場。いま街中に回帰しはじめた欧州のサッカー場や米国の野球場は、それと同時に、たくさんの“緑”を連れて「Urban Forest(まちの森)」を形成する大切な役割を担う。 米国の不動産業界では、「グリーンビルディング(グリーンビル)」の経済価値が高く評価されており、日本でもその概念の導入が検討されている。

グリーンビルの定義は、「省エネ・省資源など建物自体の環境性能のみならず、そこを利用する人間の健康や利便性への影響にも配慮した建築物」。デザインから、設備・機器、資材、建設、保守、管理まで市場の裾野は広く、建物のカテゴリーは全部で九つある。この対象の一つに、スポーツ施設として“グリーンスタジアム”を加えられないだろうか。 2009年10月、スイスの首都ベルンの街中に完成したBSCヤングボーイズのホームスタジアムは、緑に囲まれ“グリーンスタジアム”の一例と言える。

中でも、屋根の全面に設置されたソーラーパネルは4,500m²と世界一の面積、年間150万kwの電力を生産して地元の電力会社に供給される。屋根の上には太陽光発電に関する情報センターが設けられ、ネーミングライツの施されたパネルを一望することができた。 これからグリーンスタジアムの市場を形成・拡大するには、独自の評価・認証システムが必要であろう。そのために、次の評価項目を考えてみた。 (1)持続可能な土地利用の視点から、ロケーションは“街中”に近い (2)温暖化ガス削減のために、アクセスの良い公共交通の利用が主である (3)水使用の効率化のために、雨水などを活用している (4)ゴミ削減やリサイクルのために、リユース食器・コップを使用している (5)自然エネルギー促進のために、屋根に太陽光発電パネルを設置している (6)市民の憩いの場として、たくさんの緑に囲まれている 建築物の環境負荷が増大して環境対策と経済発展の両立が求められる時代に、先ごろJ2ギラヴァンツ北九州の新ホームスタジアムの建設予定地が発表された。新幹線小倉駅から北へ500mほどの街中スタジアムである。周囲には既存の公共施設が立ち並び、スタジアムと一体となった多機能複合化を模索する。環境首都の北九州市が、そのシンボルとして、本邦初の“グリーンスタジアム”にいかに仕上げていくのか、今から楽しみである。