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コラム

百年構想のある風景

2015/1/30 10:00

同好会

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大学時代にサッカーをしていましたと話すと、「体育会」ですか?と聞き返されるので、慶應キッカーズという「同好会」ですと答える。1957年に慶應キッカーズが創立されて間もなく、早稲田大にも姉妹クラブとして稲穂キッカーズが誕生した。以来、半世紀にわたり、初夏に新人からシニアまで一日がかりの定期戦を行っている。我々の新人戦の相手チームの中に、後の元日本代表監督となる岡田武史氏がいた。 同好会は、大学を公式に代表する体育会と異なる独立団体と呼ばれる組織。当時の慶應大には6、7のサッカー同好会があり、各クラブには40~50人のメンバーが属していた。

全国の大学の同好会では、万単位の若者たちやOBがサッカーを楽しんでいることになる。 彼らは、(財)日本サッカー協会の登録対象ではなく、公式に出場できるリーグ戦を持たなかった。関東では、東京五輪の年(1964年)、稲穂キッカーズの故神崎孝夫氏らの多大なご尽力により、同好会の「新関東フットボールリーグ」が結成された。約50年後、3部制で18大学48チームが参加する立派なリーグに成長している。1980年代になると、関西チャンピオンとの同好会東西対抗戦が始まり、第5回大会で後輩たちが同志社大の三ツ葉キッカーズを破り初の日本一に輝いた。 同じ地域、同じ学校の仲間が、好きなスポーツに集い楽しむ。欧州の多くのビッグクラブも、その成り立ちは地域の若者たちによって結成された同好会から始まっている。ほんの小さなつぼみから、百年もの長い年月を経て今日の勇姿がある。

南米チリのクラブと言えば、まずトヨタカップでもお馴染みのCSDコロコロを思い浮かべるが、ウニベルシダ・デ・チリとウニベルシダ・カトリカも、大学ダービー(クラシコ・ウニベルシタリオ)として有名なクラブ。その名の通り、どちらも大学チームを起源として、地域に根ざしたプロクラブに成長、今やコパ・リベルタドーレス杯(南米クラブ選手権)の常連である。 わが国でも、全国各地の大学から同好会を母体にして地域に根ざしたホームチームが生まれてきてもおかしくない。現役・OB合わせ700人に上る力で、ホームタウンの名を冠し、地域社会に貢献し、地元の子どもたちを育てていく。そんなキッカーズ百年構想について、2007年の創立50周年記念パーティの際に、仲間たちみんなと大きな夢を語り合った。 同好会のことを、「サークル」とも呼ぶ。サークル(Circle)とは、輪や円のこと。輪のカタチに、体育会や同好会の区別はない。そこにあるのは、スポーツを愛する、一つの大きな"同心円"だけである。