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コラム

データコラム 数的有意

2022/3/25 18:00

2022明治安田生命J1リーグ 序盤戦の傾向を分析

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2022明治安田生命J1リーグが開幕してから1ヶ月が経過した。今回は、ここまでのJ1リーグの序盤戦の傾向を過去シーズンの序盤戦と比較し、今季の特徴的なデータを取り上げていきたい。

※対象試合
2017年~2020年:第1節から第4節までの各シーズン36試合とする
2021年~2022年:延期試合やACL出場クラブのイレギュラー開催を加味し、2021年は3月14日までの38試合、2022年は3月13日までの39試合とする

●ゴールが少なく、引き分けが多い

序盤戦におけるチームの「1試合平均得点」を確認すると、今季は1.10点で、直近5年平均の1.23点や、昨季の1.47点と比較してゴールが少ない結果となっている。例年に比べて堅い展開の試合が増えている、と言えるだろう。その影響もあって、今季は引き分けとなる試合が全体の41.0%を占めており、直近5年平均が25%程度であることを考えるとその差は歴然だ。

引き分けについては興味深いデータがある。今季、スコアレスとなった試合は3試合でこれは特別多くない。引き分けのパターンとして多いのは先制したチームが逃げ切れずに同点となるケースで、過去と比較すると先制チームの勝率は下がり、引き分け率(36.1%)は高くなっていることが分かる。今季の最多スコアは1-1の10試合(全体の25.6%)で、これは直近5年平均の約1.7倍となっている。また、逆転までにはあまり至っていないのも特徴と言える。

●高い位置で奪ってからのゴールが多い

ゴールが決まった時のボールを奪取したエリアを比較すると、今季は高い位置(アタッキングサード)で奪ってからのゴールが多い傾向が出ている。これは、GKからつなぐチームが増えていることや、それに対して前線から積極的にプレスを仕掛けるチーム、奪われた後に「即時奪回」を掲げるチームが増えていることも影響しているだろう。

●ペナルティエリア外からのシュートに注目

ゴール時のシュートエリアに注目すると、今季はペナルティエリア(以降PA)外からのシュートによるゴールが多いことが分かる。例年ではPA外からのシュート比率は10%程度なのに対し、今季は19.5%がPA外からとなっている。

また、PA外シュートの決定率は6.0%と高くなっており、ゴール数も16と例年より多くなっている(直近5年のPA外ゴール数の平均は9.2点)。一方で、PA内シュートの決定率は低くなっており、これはクロスがアシストとなるゴールが減っていることも影響しているだろう(1試合平均クロスアシスト:直近5年平均0.26、今季0.17)。今季ここまでは堅い試合が多い中で、相手の守備ブロックを打ち崩すミドルシュートや、相手の陣形が整う前に遠めからゴールを狙うプレーに注目したい。

●今季すでにPA外ゴールを記録している注目の3選手

ここからは今季の特徴の1つである「PA外ゴール」に焦点を当て、すでにPA外ゴールを記録している選手の中から、注目プレーヤーとして3選手を紹介する。

1人目には仲川 輝人(横浜F・マリノス)を挙げたい。PA外ゴールは2月23日に行われた第9節の川崎フロンターレ戦で記録している(動画)。2019年には15ゴールを挙げ、得点王とMVPのダブル受賞という輝かしい成績を収めたが、2020年、2021年はともに2ゴールにとどまってしまった。しかし、今季はすでに3ゴールを挙げ、序盤戦の段階で過去2年の得点数を超えている。PA外シュート数自体は2019年16本、2020年11本、2021年10本と決して多い選手ではないが、前述した今季のゴールや、昨季の第37節ヴィッセル神戸戦で決めたゴール(動画)から分かるように高いシュート技術を持ち合わせており、積極的に狙う場面が増えれば再びゴール量産体制に入れるだろう。

2人目は小野瀬 康介(ガンバ大阪)だ。今季ここまでのJ1で唯一複数のPA外ゴールを挙げている選手で、第1節の鹿島アントラーズ戦(動画)、第3節の川崎フロンターレ戦(動画)でそれぞれ1点ずつPA外ゴールを記録した。過去には2018年のJ2で二桁得点を記録するなど、確かな得点力を持つ選手だが、2020年は2ゴール、2021年は0ゴールと、近年はゴールから遠ざかっていた。今季は片野坂 知宏新監督の信頼をつかみ、ここまで4試合すべてで先発出場。2シャドーの一角としても起用されるなど、より攻撃的なポジションでプレーする場面が増えており、自身のJ1キャリアハイである7ゴール(2019年に記録)も射程圏内だろう。また、2年連続でチームトップのPA外シュートを放っていた宇佐美 貴史が残念ながら長期離脱となってしまった中、その穴を埋めるためにも「背番号8」の積極的な攻撃姿勢がチームに必要なことは間違いない(宇佐美 貴史のPA外シュート数:2020年29本、2021年32本)。

3人目に紹介するのは、大津 祐樹(ジュビロ磐田)。第3節の京都サンガF.C.戦でリーグ戦今季初先発を果たすと、PA外から見事なシュートを沈めて先制点を挙げ、チームのJ1昇格後初勝利に貢献した(動画)。海外やJ2で活躍していた時期が長かったこともあり、J1では2009年(当時柏レイソル所属)以来複数ゴールを挙げられていない。14年ぶりのJ1複数得点へ、早々にリーチをかけたアタッカーに今後も注目だ。

(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)