本文へ移動

今日の試合速報

第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待
第17節 6.1(土) 15:00KO 国立競技場 鹿島vs横浜FM 国立競技場に10,000名様無料ご招待

コラム

データコラム 数的有意

2022/2/16 18:00

「スタッツから見る注目の移籍」と「チーム別の新戦力スタッツ」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2022明治安田生命J1リーグの開幕が迫ってきた。開幕直前となる今回の「数的有意」では、オフシーズンの移籍に注目し、「スタッツから見る注目の移籍」と「チーム別の新戦力スタッツ」について紹介したい。

●「スタッツから見る注目の移籍」

まずは、今回のオフシーズンの中で注目の移籍を紹介する。
1人目は、北海道コンサドーレ札幌から川崎フロンターレへ移籍したチャナティップだ。身長158cmと、小柄な体格を活かして行うドリブルが印象的で、2018年にはJリーグベストイレブンにも選出された。昨季は23試合に出場し、ゴールこそ1点にとどまったが、チャンスメイクでは存在感を発揮。90分当たりのスルーパス数はチーム最多の1.69本、アシストもチームトップの6を記録し、自身のJリーグでのキャリアハイに並んでいる(2019年も6アシスト)。王者・川崎フロンターレで定位置をつかみ取り、3連覇に貢献する活躍を見せられれば、再びJリーグベストイレブンに輝く日が来るかもしれない。

2人目は、2月に入ってサガン鳥栖から横浜F・マリノスへの移籍が発表されたエドゥアルドだ。高い身体能力と的確な読みを駆使して鉄壁を築くだけでなく、技術の高い左足を活かしたビルドアップでも抜群の存在感を発揮する。昨季はクリア数170でJ1リーグ3位タイ、縦パスは1198本でJ1リーグトップ、さらには直接FKゴールも2得点でJ1リーグ1位タイと、多彩さをあらためて見せつけた。新天地でも、攻守において欠かせない存在となりそうだ。

3人目は、ベガルタ仙台からFC東京へ移籍したヤクブ スウォビィク。昨季はセーブ数114を記録し(J1リーグ2位)、幾度もチームのピンチを防いだ。また、キックの飛距離も魅力で、70m以上飛んだゴールキックの数は昨季のJ1選手の中で一番多い(21本でJ1リーグ1位タイ)。悲願のシャーレに近づくためには、彼の活躍がカギになるだろう。

●「チーム別の新戦力スタッツ」

各チームに加わった新戦力が昨季Jリーグの舞台でどれだけの結果を残してきたか。各チームが獲得した新戦力をスタッツから評価するため、ここでは新戦力の「昨季Jリーグ出場時間の合計」と「昨季Jリーグ得点数の合計」を算出した。

※移籍情報は2022年2月3日時点。2021シーズンのJ1、J2、J3で出場を果たした選手で、今季新たにJ1チームへ加入した選手が対象。

新戦力の「昨季Jリーグ出場時間」が最も多かったのは、浦和レッズ。今オフはチームを離れる選手も目立ったが、新加入選手として岩尾 憲、犬飼 智也、松尾 佑介、松崎 快ら前所属チームで主力を担っていた選手を多く迎え入れた。岩尾 憲は徳島ヴォルティスの中心として昨季は37試合3145分の出場を果たし、パス数は2620でJ1リーグ4位(MF登録では1位)に、総走行距離は396kmでJ1リーグ6位となるなど、輝かしいスタッツを残しているボランチだ。松崎 快は水戸ホーリーホックで8ゴール6アシストを記録。ドリブルが特徴のサイドアタッカーで、昨季はドリブル131回(J2リーグ2位)、ドリブルからのシュート25回(J2リーグ1位タイ)と、スタッツでも鮮烈な印象を与えた。

次いで新戦力の「昨季Jリーグ出場時間」が多かったのは、昇格組の京都サンガF.C.だ。J1で戦うのは2010シーズン以来12シーズンぶり。GKの上福元 直人や、DFのアピアタウィア 久、メンデス、井上 黎生人など、守備陣の補強が目立っている。彼らの中で取り上げたいのは井上 黎生人だ。昨季はファジアーノ岡山で全42試合のフルタイム出場を達成した。昨季のJ2でフルタイム出場を果たしたのはわずかに4人であることからも、いかに困難な記録かお分かりいただけるだろう(他の3人はFC町田ゼルビアの福井 光輝、栃木SCの柳 育崇、ギラヴァンツ北九州の髙橋 大悟。いずれも昨季の所属チーム)。守備プレーの中でも、体を投げ出して行うブロックのうまさが特徴的で、昨季は34回のシュートブロックを記録している(J2リーグ1位タイ)。J3からコツコツと実績を積み上げてきた若武者が、初のJ1でどのような活躍を見せるか。

続いて、新戦力の「昨季Jリーグ得点数の合計」に注目すると、最も数値が高いのは横浜F・マリノスとなった。昨季途中まで北海道コンサドーレ札幌に所属していたアンデルソン ロペスや、FC町田ゼルビアで10ゴール10アシストを記録して復帰を果たした吉尾 海夏など、今季も「アタッキングフットボール」のさらなる進化を目指している様子がうかがえる。特にアンデルソン ロペスは昨季14試合で12ゴールの数字を残しており、今季もその爆発力に期待がかかる。

二番目に得点数の合計値が高いのは、アビスパ福岡だ。昨季ジュビロ磐田で22ゴールを挙げ、J2得点王に輝いたルキアンの加入が大きく影響しているが、そのほかにもJ1で4ゴールを挙げた田中達也らを迎え入れており、得点力強化の狙いが見てとれる。なお、過去にJ2得点王となり、翌年にJ1で試合出場を果たした選手は全部で14人いるが、うち10人がその年のJ1で二桁ゴールを記録している。ルキアンがアビスパ福岡の得点力アップに貢献する可能性は大きい。

(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)