そして、そのタイトル獲得の候補はリーグ戦や国内カップ戦にとどまらない。今季は2016年以来となるAFCチャンピオンズリーグ出場も視野に入れる。その本戦出場を懸けた一発勝負のプレーオフが、28日に東京スタジアムで行われる。相手はフィリピンのセレス・ネグロス。チームが始動してまだ約3週間だが、ここでしっかり勝ち切ってアジアの舞台に立てるか。2020年、最初のハードルである。
チームは1月初旬から約2週間の日程で沖縄キャンプを行った。そこで就任3年目を迎える長谷川 健太監督からチームに提示されたのが、システム変更だった。
昨季までの2年間、基本布陣となっていた[4-4-2]から、より攻撃的な人員配置となる[4-3-3]へ。これまで長谷川監督は毎シーズン前に「優勝を狙うには年間55得点をクリアしないといけない」と常々話していたが、過去2年はいずれも達成できず。最終節まで優勝争いを演じた昨季でさえ、目標に程遠い46得点で終わっていた。
守備の安定感はリーグ屈指の実力を持つ。「大崩れはしない」(髙萩 洋次郎)と選手たちは口にする中、やはりチーム全体で共有される課題も得点力不足に集約される。その解消に向けて、「昨年途中から頭の中にあったビジョン」と長谷川監督が温めてきた新システムを、今季満を持して導入。「チームビルディングには正直もう少し時間がかかる」と指揮官も率直に明かすが、このプレーオフの一戦から新たな布陣を採用することが確実だ。
得点力不足解消に向けた動きは、補強面でも表れていた。
現在、昨年末に右肩を手術した永井 謙佑が離脱中。復帰は春になりそうだ。さらに永井と同じく昨季終盤戦で右ひざを負傷したディエゴ オリヴェイラも、調整は続けるがこの試合は温存される可能性が高い。
そこでカギを握るのが、今季助っ人で加入した2人のブラジル国籍アタッカーだ。
磐田で5シーズンプレーしたアダイウトンと、鹿島で3シーズンプレーしたレアンドロ。両者の力がいきなり試される機会となる。
アダイウトンはFW、サイドと両方務められる。ディエゴ オリヴェイラがいない現状はセンターFWでの出場も可能だ。そしてレアンドロは左右両サイドでプレー可能。鹿島では右サイドハーフで出場する試合も多かったが、まずはこの初戦では左サイドで起用される可能性が高い。そして右サイドには昨季の明治安田J3で得点王に輝いたプロ3年目の若手、原 大智が入りそうだ。本職はストライカーだが、昨季終盤は長谷川監督が今季の布陣変更を見据え、原をJ3の舞台でも右サイドで起用していた。そこでもしっかり結果を残していた若きアタッカーが、助っ人陣にどこまで加勢していけるかがこの試合の得点力につながっていく。
23日に行われた新体制発表会で、長谷川監督はこう発言した。
「(目標は)Jリーグチャンピオンとアジアチャンピオンです」 アジアもしっかり見据えて戦う決意を示したチーム。プレーオフでつまずくわけにはいかない。
[ 文:西川 結城 ]