前身のAFCチャンピオンズリーグ時代を含めて、クラブ史上初のベスト4を懸けて戦った準々決勝のアル・サッド(カタール)戦は激闘となった。開始早々の4分に先制したのもつかの間、9分に同点ゴールを奪われた。それでも21分に勝ち越しゴールを決め、再び優位に立ったあとは大きなピンチを作られることもなく、後半途中まで時間を進めていった。しかし、71分に失点。自陣での不用意なボールロストからショートカウンターを沈められた。
結局90分で決着はつかなかったが、延長前半の98分に決勝点。相手陣深い位置でアル・サッドのパスミスを拾った瀬川 祐輔が山田 新につなぐと、最後は脇坂 泰斗が足をつりながらもゴールネットを揺らし、セミファイナルへのチケットをつかんだ。
そこから中2日で準決勝を戦うわけだが、まず最優先で求められるのはコンディションの回復になるだろう。試合翌日はグラウンドでのトレーニングは行わずにプールでのリカバリー調整などにあて、心身のリフレッシュを図った。チームは限られた時間の中で最善の準備を進めている。
相手となるアル・ナスルはサウジアラビアを代表するビッグクラブの1つであり、準々決勝では横浜FMに4-1で勝利している。コロンビア代表のジョン デュラン、イングランドプレミアリーグのリヴァプールなどに在籍していたサディオ マネ、言わずと知れたスーパースター・クリスティアーノ ロナウドと、得点者を見ただけでもタレント軍団であることは分かるが、日本のクラブと比べれば個の力への依存は強く、守備にスキが生まれるシーンがあるのは横浜FM戦から伝わってきた。リスペクトし過ぎることなくいつもどおり挑めれば、十分に勝機はあるだろう。
「次の相手は名前のある選手が何名もいると思いますが、名前でサッカーをするわけでもプレーするわけでもないし、(ACLEファイナルズはサウジアラビアで行われており、アル・ナスルにとっては)地元の応援、スタジアムの雰囲気は、歓声が『ワー』と沸き起こるのはものすごく良い環境だと思いますけど、われわれにはそれに負けないサポーターがいます。人数では勝てないと思いますけど、声の大きさや後押しの質のところでは良い勝負をしてくれると思うので、ピッチも良い勝負に持っていきたいと思います」(長谷部 茂利監督) 11回目の挑戦で初めてアジアベスト4までたどり着いたとはいえ、「優勝を目指してやっている」(脇坂 泰斗)川崎Fからすれば、まだここは通過点。誰一人、満足している者はいない。ベスト8を突破した勢いそのままに、次はベスト4を乗り越え、ファイナルの舞台に立つ権利をつかみ取る。
[ 文:須賀 大輔 ]