序盤こそJ1の戦いに慣れるのに時間を要したが、昨季J2最少失点を誇った堅守がJ1で通用する質を伴うようになるにつれて勝点を重ねられるようになり、第10節から第15節まで6連勝。J1におけるクラブの連勝記録を更新し、5位にまでジャンプアップ。5月30日のリーグ前節・大分戦で8試合ぶりの敗戦を喫したが、守備の堅さ、攻撃のバリエーションアップという部分での自信は失っておらず、リーグ後半戦でも安定した戦いが期待できる状態にある。
JリーグYBCルヴァンカップのグループステージを水曜日に戦っているときには、試合間隔が短いこともあり、週末のリーグ戦を戦うメンバーとは異なることが多かった。今回は次のリーグ戦が6月19日ということで間隔も十分だが、長谷部監督が果たしてどういう選手起用をしてくるか。しかし、「試合に出る選手がウチのレギュラー」、「すべての公式戦が自分たちにとっては大事。なぜなら見る人たちはそのゲームでわれわれを評価するのだから」という言葉からして、しっかりと勝利が狙える“ベストメンバー”で臨むことは間違いない。
その上でこの鹿児島戦におけるチームの勝利以外のテーマとしては、リーグ戦のときよりもボールを保持する時間が長くなるはずなので、カウンター以外の手段でいかに相手ゴールを割るか、遅攻における質の向上とバリエーションアップを図ること、ではないだろうか。
一方、鹿児島は5月28日に今季から指揮を執っていたアーサー パパス監督が家庭の事情を理由として退任することと、大島 康明ヘッドコーチが暫定監督として指揮を執ることが発表された。三浦 泰年監督の下で2018年に果たしたJ2昇格を再び目指して今季をスタートさせ、序盤5試合は2勝2分1敗とまずまずのスタートを切ったが、J3第7節・岩手戦と第8節・藤枝戦で今季初の連敗。その後にアーサー パパス監督退任があり、チームに動揺が走ったはずだが、大島暫定監督の指揮で臨んだ第9節の長野戦を2-1で制し、3連敗を阻止した。
第10節の讃岐戦は後半の早い時間帯に退場者が出たことが響き、終了間際に決勝点を献上。1-2で敗れて現在は8位につける状況だ。大島暫定監督はこれまでと同様に攻撃的なサッカーを継続すると話しており、今回のゲームでJ1チームから勝利を挙げれば一気に勢いがつくはず。この福岡戦はいまのチーム状況を考えれば非常に重要な一戦と位置づけることもできる。
過去の天皇杯において同カードの対戦は多く、鹿児島がJリーグに加盟した2016年以降で三度の対戦がある。いずれも福岡が勝利を収めていて、2016年は1回戦で7-2、2018年は2回戦で1-0、2019年も2回戦で対戦し、2-1の逆転勝利となっている。
J1の福岡、J3の鹿児島と今季のJリーグにおけるステージは異なるが、“九州ダービー”であることに変わりはない。意地がぶつかり合う激しい一戦になりそうだ。
[ 文:島田 徹 ]


