栃木は大会初戦となった2回戦で同じJ2の秋田を2-1で撃破すると、続く3回戦はJ1広島と公式戦で初めて対戦。攻守ともに前へアグレッシブに戦い続けるスタイルを押し出すと、大島 康樹が自ら獲得したPKを決めて、54分に先制。後半アディショナルタイムにはカウンターから西谷 優希がダメ押しゴールを決めて勝ち切った。広島に体調不良の選手が続出したという背景があったとはいえ、栃木のアグレッシブな戦いぶりを受けて、ミヒャエル スキッベ監督は「栃木が勝利に値するゲームだった」と敗戦を受け入れるコメントを残している。これで栃木は前回大会の3回戦・横浜FM戦以来となる、2年続けてのJ1勢撃破となった。
栃木は広島戦以降も、リーグ前々節はJ1昇格プレーオフ圏内の清水に1-1で引き分け、リーグ前節は同じくプレーオフ圏内の甲府に3-0で快勝するなど、状態の良さをキープしている。
夏場でもチーム全体の足が止まることなく、90分間をアグレッシブに戦えていることに加えて、FWのポジション争いが激しくなってきたことも好材料の1つ。天皇杯で2試合続けてゴールを奪ってきた大島は、甲府戦でも2ゴールを奪う活躍ぶり。7月に京都から期限付き移籍で加入したイスマイラにも甲府戦で加入後初ゴールが生まれるなど、これまでは得点力不足が足を引っ張り下位に低迷してきたが、浮上するための手がかりをつかみ始めている。
ラウンド16もリーグ戦同様に“前へ”重心を傾けたアグレッシブな戦いを貫くだろう。福岡に勝てば、クラブ史上初となるベスト8入りが実現する。
その栃木と対峙する福岡は、J1では一時4連敗と調子を落としていたが、直近のリーグ戦は3連勝と状態を上げてきた中でこの試合を迎える。
福岡の勝ち上がりを振り返ると、大会初戦となった2回戦でJ3今治と対戦し、ウェリントンと佐藤 凌我のゴールで快勝。3回戦ではJ3岐阜と対峙。前半に先制されたあと、なかなか追いつけずに苦しむ展開となったが、84分に佐藤のゴールで追いつき、延長戦へ。延長後半にドウグラス グローリが決勝ゴールを挙げて、粘る相手に勝ち切った。
栃木戦は7月16日に行われた明治安田J1第21節・湘南戦以来となる公式戦であり、2週間以上の間隔が空いた影響がどう出るだろうか。
福岡はロングボールを駆使した空陸両方のバトルやリスタートを強みとし、勝負にこだわるチームとして知られるが、栃木も同じようにロングボールから攻撃の起点を作り、その上で球際やセカンドボールのバトルで先手をとりながら試合を優勢に進めようとする特徴を持つ。つまり、スタイルが似た者同士の一戦となる。空中戦や地上戦のバトルが頻発する、非常に激しい戦いになることが予想される。
[ 文:鈴木 康浩 ]

