藤枝は、リーグ前半戦が終わったJ2第19節終了時点で7勝3分9敗の12位。昨季のJ2第19節終了時点と比べると勝点が1つ少ないが、序盤戦の低迷からは着実にチーム状況が上向きになっている。ただ、リーグ前節で首位の清水にスコア(0●1)以上の完敗を喫し、リーグ次節は天皇杯から中2日で3位の横浜FCと対戦するため、今回は大胆なターンオーバーが予想される。
そのため楽しみなのは、ここまで出番に飢えていた選手がどんなハツラツとしたプレーを見せるかというところ。「勝たなければ次がない大会なので、自分たちが持っている力をすべてぶつけて、リーグ戦のスタメンを奪い取るという気持ちでプレーしたいです」と語った前田 翔茉は、このところリーグ戦で途中出場が増えており、この栃木戦で出場となれば強い覚悟を持って挑むことを約束する。
また、リーグ後半戦を考えても、「夏場以降はケガや疲労も出てくるし、18人だけでは戦えない。だからこそチームの底上げをして、全体のレベルを上げなければいけない。栃木は同じリーグの相手なので、その意味でも良いチャンスですし、いまのわれわれは2チームぶんできる戦力があると思っています。戦い方は変わらないですが、メンバーが替わればいつもと違う色が出ると思うので、それも楽しみです」と須藤 大輔監督は言う。
そうした思惑は、栃木も同様だろう。天皇杯は藤枝の本拠地に乗り込む格好となり、次のリーグ戦もアウェイ(大分)。チームの底上げを図る意味でも重要な舞台となる。
リーグ戦は折り返し地点で3勝5分11敗の19位。5月14日に田中 誠監督が成績不振により契約解除となり、チーム立て直しの経験も豊富な小林 伸二監督が引き継いだが、その後も2分2敗と勝利がなく、降格圏内を脱出できていない。
リーグ前節は20位・群馬との下位直接対決だったが、互いにPKで1点ずつ取ってのドロー。「(就任後)ホームで3試合やって毎試合得点は取れていますが、2点目が取れていない」と小林監督は得点力の課題を口にする。藤枝は攻撃的な相手だが、天皇杯ではPK戦もあるので無失点にこだわるのか、複数得点を取るために攻撃的に戦うのか、今後も見据えたベテラン指揮官の舵取りが注目される。
基本システムは両チームとも[3-4-2-1]で同じだが、戦い方は対照的。藤枝がテンポよくパスをつないで崩していくスタイルなのに対して、栃木は身長の高いFW陣を生かしてロングボールやアーリークロス、そのセカンドボールなどからチャンスを見いだしていくことが多い。その対決でどちらが主導権を握り、どんな駆け引きを見せていくのか。フレッシュな選手たちの躍動も含めて、見どころが非常に多い戦いとなるはずだ。
[ 文:前島 芳雄 ]


