京都はこの試合が今大会の初戦となる。明治安田J1では2勝5分10敗の勝点11で19位と、苦しいシーズンを送っている。直近の公式戦は6月1日のリーグ前節・C大阪戦。前半に先制点を奪われたが、55分に松田 天馬が川﨑 颯太からの折り返しを押し込んで同点に追いつき、引き分けに持ち込んだ。リーグ戦では一時、相手に複数得点を許しての5連敗を喫するなど守備が崩壊していたが、ここ2試合はいずれも引き分けて、失点も最少失点にとどめるなど、改善の兆しが見えている。天皇杯でもこの流れを継続したい。
カップ戦は、リーグ戦では出場機会の少ない選手にもチャンスが与えられる傾向にある。もう1つのカップ戦であるJリーグYBCルヴァンカップはすでに敗退していることもあり、この舞台で勝ち進みたいという思いは強いはずだ。
近年の天皇杯における成績を見てみると、一昨年度はベスト4まで勝ち進んで3位入賞を果たしている。一方で、昨年度は初戦となった2回戦でJ3の富山と対戦すると、PK戦で11人目までもつれこんだ末に敗退という悔しさを味わった。そのPK戦でゴールを守ったGK太田 岳志は「天皇杯はトーナメント戦なので、何がなんでも結果を示して勝ち進むことが何よりの目標となります。試合に出た選手がチャンスを生かすために、どれだけ必死に戦えるか。去年の富山、今年のルヴァンカップ(1stラウンド2回戦の相手)の長野と、J3のクラブに続けて負けています。相手の高い意欲を上回るものを出さないといけません」と精神面の重要さを訴えている。
一方の大宮は5月26日に行われた1回戦で福井ユナイテッドFC(福井県代表)と戦い、3-0で初戦を突破している。31分に小島 幹敏が左足で先制点を挙げて前半を折り返すと、60分にサイドからの折り返しを泉澤 仁が押し込んで追加点を決め、終了間際の88分には大澤 朋也がクロスに合わせて試合を締めくくった。
J3では12勝3分1敗の勝点39で、首位を快走している。今季の公式戦で敗れたのはJ3第13節・松本戦とルヴァンカップ1stラウンド2回戦・名古屋戦の2回だけ。1年でのJ2復帰に向けて、順調な歩みを見せている。直近の公式戦はJ3第16節・金沢戦。開始8分に右サイドから攻め込んで最後はアルトゥール シルバが押し込んだゴールが決勝点となり、リーグ戦3連勝を挙げている。
両チームが最後に対戦したのは、ともにJ2に所属していた2021年。第3節は雷により19分で試合が中断・中止となり、11日後の再開試合で京都が2-1の勝利を挙げた。第37節は引き分けかと思われた90+6分に右サイドからのクロスを川﨑が頭で押し込んで、京都が1-0の劇的勝利をつかんでいる。今回、約2年半ぶりの対戦となる。
注目は両チームの指揮官だ。京都の曺 貴裁監督と大宮の長澤 徹監督は同学年で、「同じ志を持った」(曺 貴裁監督) 盟友と言える間柄だ。長澤監督は昨季まで京都でヘッドコーチとして曺 貴裁監督とタッグを組んで、12年ぶりのJ1昇格や2年連続のJ1残留に尽力している。今季から大宮の指揮を執り、天皇杯でカテゴリーを超えた対戦が実現することになった。互いを知り尽くした指揮官が、どのような勝負を繰り広げるのか。非常に楽しみな一戦だ。
京都で開催される試合だが、リーグ戦とは異なる会場となることに注意したい。たけびしスタジアム京都(愛称:西京極)で19時キックオフとなる。
[ 文:雨堤 俊祐 ]