山形がファイナルに進出し、クラブ史上最高成績の準優勝を収めたのはちょうど10大会前の2014年度大会。準決勝、決勝は、J1昇格を果たすことになったJ1昇格プレーオフ準決勝、決勝を挟むスケジュールで行われた。2018年度大会ではベスト4に進出したが、その後は2回戦や3回戦での敗退が続いている。前回大会は2回戦でソニー仙台FCに勝利したが、3回戦では浦和に善戦したものの0-1で敗れている。
今季は昨季途中から指揮を執る渡邉 晋監督体制2年目。リーグ戦では優勝を目標に掲げながら、ここまで6勝4分9敗と振るわず、14位に低迷している。ただし、ここ3試合はすべてクリーンシート。直近2試合は多くのシュートを放ったにもかかわらず無得点に終わり、決定力に課題は残るが、試合運びそのものは安定している。この天皇杯で得点を奪って勝ち上がることができれば、次節から後半戦に入るリーグ戦にも良い影響がもたらされそうだ。
今回はJ3の相模原との対戦となる。しかし、同じくJ3の富山と対戦したJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦では延長戦の末1-2で敗れ、敗退している。それだけに、チーム内に油断はないだろう。直近のリーグ戦もNDスタで行われており、言わば“ホーム連戦”となるが、中2日とタイトな日程で行われるため、大幅なメンバー変更は不可避と見られる。ただし、渡邉監督は「体調不良者が続出している」現状を明かしている。連戦となる選手が出てくる可能性もありそうだ。
一方の相模原は2年連続3回目の出場。1回戦で山梨学院大PEGASUSと対戦し、3-0で勝ち上がった。日程面で前後1週間の間隔があったことにより、メンバーも普段のリーグ戦とほぼ同じメンバーをそろえた中、14分に藤沼 拓夢が先制ゴールを決め、前半終了間際にセットプレーから牧山 晃政が追加点。さらに後半アディショナルタイムには髙木 彰人がダメ押しの3点目を挙げ、危なげなく勝ち切った。
今回は直近の明治安田J3第16節・奈良戦から中3日。山形の中2日よりは余裕があるものの、奈良での夜のアウェイゲームを戦ったあと、今度は山形への移動を伴うため、やはりタイトな日程と言うべきだろう。メンバー編成にどの程度影響するのかも注目される。
相模原は戸田 和幸監督体制2年目。リーグ戦では6勝7分3敗の勝点25で現在5位。奈良戦を1-2で落とし、敗戦も複数失点も7試合ぶりとなったが、なおもJ2昇格プレーオフ圏内につけながら、自動昇格も十分に狙える位置にいる。着実につけてきた力を上位のカテゴリーとの対戦でも遺憾なくぶつけたい。
基本フォーメーションは山形が[4-2-1-3]、相模原は[3-5-2]と違いはあるが、互いにポゼッションスタイルで、相手の立ち位置を見ながら自分たちのボールの動かし方を決めるところや、つなぐことにこだわらずに背後も積極的に狙うところなどは共通している。また、相模原のベンチには “ミスター・モンテディオ”と呼ばれた高橋 健二ヘッドコーチが入る。山形サポーターにとっては、熱い一戦となりそうだ。
[ 文:佐藤 円 ]
