今季の清水は、2年連続でのJ2というクラブ史上初のシーズンを過ごしているが、序盤から上位争いをリード。4月序盤から5月中旬にかけてはリーグ戦7連勝を達成するなど、前半戦の19試合を終えた段階では首位に立っていた。
だが、後半戦に入ると苦手なアウェイゲームが続き、明治安田J2第21節・秋田戦で今季初の連敗を喫する。その間に長崎に首位の座を譲り、現在の順位は3位。ただ、首位の長崎との勝点差はわずかに『1』。2位の横浜FCに関しては勝点では並んでおり、今後も白星を積み重ねることで首位奪還を狙っている。
対する京都は、クラブを12年ぶりのJ1復帰へ導いた曺 貴裁監督の下で4年目の体制を迎え、堅守速攻とハードワークをベースとした戦い方に磨きをかけているチームだ。
今季はリーグ開幕から安定して勝点を積み上げられず、残留争いに身を置くシーズンを過ごしている。5月頭からはリーグ戦5連敗、7戦未勝利という苦しい状況が続いていた。だが、6月15日に行われたJ1第18節で残留争いのライバルである札幌を2-0で下すと、その札幌戦を含めた直近5試合の成績は3勝1分1敗と復調。現在は2連勝中と勢いに乗っている。
このような状況の中で迎える天皇杯。清水は6月12日に行われた2回戦で、長崎県代表の三菱重工長崎SCに9-0と力の差を見せつけた。ターンオーバーに踏み切った中で迎えた一戦は、高卒ルーキーの郡司 璃来がプロ初ゴールを含む4得点を挙げるなど大暴れ。普段は出場機会に恵まれない選手たちが、やっとの思いでつかんだチャンスで躍動した。
一方で、京都はJ3で首位を走る大宮と2回戦で対戦。清水と同様、リーグ戦で出場機会の少ないフレッシュな面々で先発を構成したが、終始主導権を握り続け、2-0と完勝。試合後に曺 貴裁監督は「全員がサンガのスタイルを理解した上での勝利」と胸を張っていた。
そんな京都に“挑む”立場の清水・秋葉 忠宏監督は、常日頃からJ2優勝だけでなく、J1で安定した戦いを繰り広げられるチームとなることを目標として公言している。キャプテンの北川 航也も「J1のチームともやって、いまの自分たちの力も見せたい」と意気込んでいたが、今回はまさにJ1のチーム相手に力を試す良い機会。今季公式戦12試合を戦って、11勝1分と無敗の本拠地で、J1に相当するチームであることを証明したい。
だが、京都も2022年のJ1復帰後から3年目を過ごすクラブとして、やすやすと勝利を譲るわけにはいかない。中3日の清水と比較して、京都は中2日と厳しい条件面を強いられる。過密日程に加えて移動も重なることから、コンディションの調整が難しい中でのゲームとなるが、“総力戦”で勝利をつかむ覚悟だ。
J2で優勝争いを繰り広げるチームの勢いと、J1で鍛え抜かれてきたチームの意地がぶつかる今回の一戦。勝利をつかみ、次のラウンドへ進むのはどちらのクラブとなるだろうか。
[ 文:榊原 拓海 ]

