今治は今季より昇格したJ2の舞台で序盤戦から好調を維持。クラブ記録更新となる13試合連続負けなしで上位争いに割って入ってみせた。
しかし明治安田J2第15節で、首位に立つ千葉と互角以上に渡り合いながら、不運な形でのオウンゴールが決勝点となって敗戦。連続無敗記録が止まると、続く第16節・甲府戦では後半開始早々に退場者を出して数的不利になったことで劣勢を強いられ、終了間際にセットプレーから失点を喫して敗れた。
連敗という悪い流れをいち早く断ち切りたい状況で迎える天皇杯1回戦。思い返せば、1年前にも今治は似たシチュエーションを経験していた。
昨季はJ3で開幕4連勝と好スタートを切ったものの、ゴールデンウィークの連戦で調子を落として第11節から4連敗。その状況で迎えた天皇杯1回戦は下位カテゴリー(JFL)のヴィアティン三重との対戦で、仕切り直しとばかりに必勝を期して臨んでいた。しかし、結果は0-1。初戦敗退という大きな屈辱を味わった。
苦い思いがあるからこそ、チームの手綱は自然と引き締まる。
「鹿児島は勢いがあるし、良い状態で乗り込んでくる。“かみつく”という部分においても下克上を狙ってガンガン来るだろう。そもそもわれわれは鹿児島を格下だとは思っていない」(倉石 圭二監督) 天皇杯において上位カテゴリーチームに表れがちな慢心を捨て、リーグ戦同様のモチベーションで臨むことを指揮官は約束。この1回戦は連戦ではなく1週間のインターバルがあるため、「主要メンバーでもちゃんと動ける選手は使いたい」(倉石 圭二監督)とコンディションを考慮した中でのベストの布陣で挑むことが予想される。
今治とは相反し、鹿児島はリーグ戦で2連勝中。勢いに乗った状態でこの天皇杯1回戦を迎える。
鹿児島は昨季、5年ぶりにJ2の舞台へ返り咲くも、1年でJ3へ降格。迎えた今季は相馬 直樹新監督を招へいし、リーグ序盤戦からコンスタントに勝点を獲得。1年でのJ2復帰を目指す中、3位の好位置につけている。
鹿児島はこの連勝中、印象的な戦いを演じている。アウェイでの第12節・琉球戦では、1-1のイーブンスコアで迎えた終盤に退場者を出すも、最後まで勝負をあきらめず、終了間際に勝ち越し点を決めて勝利。第13節・福島戦は逆に相手が退場者を出したところから容赦ない怒とうのゴールラッシュを見せ、大量5得点を奪っている。
また、鹿児島には昨季今治でプレーしたアンジェロッティが在籍。高い足元の技術を誇るブラジル国籍FWは、今治で戦った昨季こそ無得点に終わったが、今季はゴール前で鋭い嗅覚を発揮し、すでに4得点を奪う好調ぶりを見せている。古巣との対戦で高まるモチベーションが加われば、今治に大きな脅威を与える存在となるだろう。
[ 文:松本 隆志 ]
