それぞれの今大会の戦いぶりを振り返ると、福岡は初戦となった2回戦で沖縄県代表の沖縄SVと対戦。16歳の前田 陽輝のゴールと相手のオウンゴールで2-0の勝利。北九州は1回戦で島根県代表のベルガロッソいわみと対戦して吉長 真優のゴールで1-0の勝利。2回戦はJ1の岡山に対して河辺 駿太郎と吉原 楓人の得点で2-0の勝利を収め、3回戦へとコマを進めている。
両チームともにシーズン途中で戦力の補強を行っているが、福岡の碓井 聖生は前所属の富山で、北九州の髙橋 大悟は町田で今大会のゲームに出場しているため、この3回戦以降の試合には出場できない。北九州の駒沢 直哉は横浜FCでの出場がないため、北九州の一員としての出場が可能となっている。
福岡がJ1、北九州がJ3と今季戦う舞台のカテゴリーに差はあるが、それが結果に直結するかどうかは分からない。福岡の金 明輝監督は「下のカテゴリーとの戦いが難しいことは分かっている」と今季のJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンドでJ3の琉球と栃木SC、J2の富山と対戦していずれも勝利を収めたものの苦しい戦いになったと振り返り、今回は「同等だというメンタルで試合に入る必要があることを選手たちは十分に理解しているはず」とコメントした。
一方の北九州は、2回戦で勝った岡山にルヴァンカップ1stラウンド1回戦でも1-0の勝利。昨季のルヴァンカップでも1回戦ではJ2の大分に勝ち、2回戦ではJ1町田に1-2と敗れたものの善戦。増本 浩平監督が「上位カテゴリーのチームとの対戦は『負けて当たり前』という気持ちで思い切りぶつかっていけるし、それで自分たちの良さが引き出される」と言い、また選手たちも上位カテゴリーのチームとの対戦に恐怖は抱いていない。
ただ、チーム状況は福岡に優位性が認められる。福岡は6月28日の明治安田J1第22節・神戸戦を最後に公式戦がなく、コンディション調整は十分。リーグ戦でも直近4戦で2勝2分の負けなしと調子は上向き。一方の北九州は週に一度のペースでリーグ戦を戦い、J3第20節・栃木C戦から中3日でこの福岡戦を迎える。しかもリーグ戦は4連敗中とメンタル的にも難しい状況だ。
福岡は負傷で長く離脱していた主将の奈良 竜樹やナッシム ベン カリファ、湯澤 聖人らが練習復帰しており、金 明輝監督の選手選考の幅が広がっているため、先発の顔ぶれがどうなるのかは楽しみなポイント。北九州は連戦であることに加え、今季ここまでのカップ戦において、リーグ戦で出場機会が少ない選手を積極的に起用しながら結果を残していることを踏まえると、リーグ戦からメンバーを入れ替えてくる可能性は高い。ともにフレッシュな面々が並び、勝利を目指して躍動する姿を見られるのではないだろうか。
5年ぶりの“福岡ダービー”で福岡が上位カテゴリーの意地を見せるか、それとも北九州が今大会二度目の下克上を果たすか。
[ 文:島田 徹 ]


