ホームの浦和は今季公式戦無敗。前節・仙台戦は両監督が会見でコメントしたように仙台ペースで進んだが、要所を締め、レオナルド・興梠 慎三の両ストライカーのゴールで押し切った。湘南戦、横浜FM戦も含めて決して内容で圧倒したわけではないが、目指す方向性も課題も見えつつ、結果が出ているここまでは、まず順調と言っていいだろう。
気になるのは、横浜FM戦で殊勲の活躍だったトーマス デン、柴戸 海らが不安定なプレーを見せるなど、仙台戦でややミスが目立った点だ。連戦の疲労以上に、インテンシティーの低い時間がある状態でのプレーのほうが現状では難しさがあるのかもしれない。今季は“縦に速いサッカー”を志向して成果を上げているが、遅攻の際の精度はさらに高めていく必要があるだろう。
一方のアウェイ・鹿島は目下公式戦5連敗中。前々節・川崎F戦は敗れながらも進歩が見られた試合だった。しかしながら、前節はこれまで対戦成績で圧倒してきた札幌にホームで0-2の敗戦。
試合後、ザーゴ監督は「随所に狙いとしているところが表現できているところはあるので、迷わず、ブレずに、いまやっていることをやり続けたい」と語ったが、目指す方向性を突き詰めつつも、なんらかの変化や起爆剤が必要かもしれない。
「(ここまでの試合では)先制点のチャンスは先に作り出している」(ザーゴ監督)ので、いかにチャンスを決め切れるかも焦点だろう。ここまで1得点にとどまってはいるが、シュート数とCK数はリーグ1位タイと、攻撃回数は多く作り出せている。先制点さえ取れれば一気に波に乗る可能性もあるのではないか。
また、浦和のストロングポイントである左サイドに対抗するためには、右SBでの出場が見込まれる広瀬 陸斗の活躍が重要になりそうだ。父は浦和のレジェンドである広瀬 治氏で、自身は浦和ユース出身。横浜FM所属の昨季は浦和から得点も挙げており、キーマンになってくるかもしれない。
リーグ戦通算対戦成績は浦和の17勝、鹿島の31勝と鹿島が上回っているが、現在の勢いは真逆にある。お互いが新スタイルに挑んでいるこの対戦は、過去の数字で計るのは難しいだろう。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
