広島は被爆地で活動するクラブチームとして、2018年から8月6日直近のホームゲームを『ピースマッチ』と位置づけ、サッカーを通じて核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を発信している。2020年は8月9日に開催される今節の湘南戦を『ピースマッチ』とし、スタジアム場外イベント広場には『広島の復興の歩み』パネルの展示やピースメッセージボードが設置されるなど、各種イベントブースが出展されることになっている。
広島にあるクラブとしての大事な一戦となる今節は、上を目指してシーズンを戦っていく意味でも大事な一戦となる。5日のJリーグYBCルヴァンカップCグループ第2節・札幌戦は1-2で敗戦して、グループステージを突破する可能性はかなり低くなってしまった。痛い敗戦を喫した城福 浩監督は「われわれはルヴァンのタイトルを獲りたいと思っていますし、非常に高いモチベーションで選手はやってくれたんですけど、その悔しさを次の試合で晴らしたい」と悔しい気持ちを直後の試合となる湘南戦にぶつけていくつもりだ。
広島は木曜日の練習はオフ。金曜日から準備を始めた指揮官は、湘南戦へ向けたポイントを端的に整理してトレーニングを行っていた。そのポイントはピッチの縦幅と横幅をしっかりと使って攻撃を展開していくこと。
城福監督は「湘南は非常に献身的で、11人がコンパクトになって戦うチームですし、つなぐ志向を持っている中でもカウンターを武器にしているチームなので、自分たちがどうボールを保持して、どうやって相手を広げていくか。そこをすごく大事にしたい」と話している。
湘南もシーズンにおける大事な局面を迎えている。前節のC大阪戦は0-1で敗戦。立ち上がりからタイトな守備を見せてボールを奪うと、鋭いカウンターでゴールへ迫ったが、70分を過ぎてPKから決勝点を奪われ、2連敗となり最下位に沈んでしまっている。5日のルヴァンカップDグループ第2節・柏戦はメンバーを入れ替えて臨むも0-1の敗戦。僅差の勝負をモノにできないでいる中、我慢強く戦って勝利をつかみ取ることで流れを変えていきたいところだ。
中盤のバトルは激しくなること必至。支配力のある青山 敏弘と川辺 駿のダブルボランチに齊藤 未月や金子 大毅ら湘南の若い選手たちがどう対抗していくのか。また、試合展開に大きな影響を及ぼすであろうサイドの1対1の攻防では、先発復帰する可能性もある柏 好文に要注目である。試合の見どころはほかにも多くあるが、何より両チームの選手たちにはプレーできる喜びをピッチの上で表現してもらいたい。そして、最後までピュアな気持ちを持ってゴールを目指して戦い抜く姿を見せてもらいたい。
[ 文:寺田 弘幸 ]