鹿島は23日に行われた明治安田J1第12節・G大阪戦で、クラブのレジェンド的な存在だった元日本代表DF内田 篤人が現役ラストマッチとなった。試合後の引退セレモニーでは、クールな印象で知られる好漢が涙声になり、それを見た鹿島の選手やスタッフたちも目を赤くしていた。同点ゴールを決めた犬飼 智也は「たくさんのことを学んだ。これからも成長した姿を見せていきたい」とさらなる飛躍を誓った。彼だけでなく、それはチーム全体が内田に対して抱く感情であり、だからこそ現在低迷しているこの状況からいち早く脱却しないといけないという意識を共有している。
第8節・大分戦で今季2勝目を記録し翌節も連勝を飾ったが、その後の3試合は未勝利と、またここに来て競り勝てない試合が続いている。またここ数年のFC東京戦は分が悪く、長谷川 健太監督がFC東京の指揮官に就任してからのリーグ戦対戦成績は鹿島の1勝1分3敗。鋭いカウンターやセットプレーから失点を重ね、相手の特長をまざまざと見せつけられている格好だ。
鹿島は7月の前回対戦でゴールを挙げたエヴェラウドが引き続き好調で、またケガで戦線を離れていた上田 綺世もG大阪戦で復帰を果たすなど、前線の陣容はそろっている。FC東京はここ数試合は攻撃陣が結果を出しているだけに、まずは彼らの奮起がなければ勝利はおろか接戦も難しい状況だろう。
一方、4位につけているFC東京は、第8節・鳥栖戦の敗戦から戦術に手を加え、攻撃に比重が置かれていたバランスから守備意識を高めて攻守均等のバランスに変え、その後は2勝2分と安定し始めている。また戦術変更後の初戦・C大阪戦はスコアレスに終わったものの、以降の3試合では7ゴールを挙げ、さらにディエゴ オリヴェイラは現在2戦連発中でレアンドロも毎試合ゴール、アシストに絡む働きぶりを見せている。そして永井 謙佑にも直近の第12節・湘南戦で待望の今季初得点が生まれるなど、「徐々に攻撃陣が良いコンビネーションから結果を生んできている」と長谷川監督も手ごたえを語る。
ただ、前回対戦時と同様にこの試合は契約条件により、鹿島から期限付き移籍中のレアンドロが出場できない。攻撃の中核を失うことは痛手だが、そこで期待したいのがそのほかの選手。特に、湘南戦で今季2点目を挙げた若手の原 大智にとっては大きなチャンスで、さらなる結果を出して勢いに乗りたいところ。もちろんここ最近は後半からの投入が続いているアダイウトンのパワーあふれる突破とシュートにも期待が集まる。
鹿島は内田から継いだ思いを形にするべく、この試合に勝利し浮上のきっかけにしたいところ。FC東京も首位の川崎Fが今季初黒星を喫した中、上位争いをさらに混とんとした状況に持ち込むべく連勝を飾り、食らいつきたいところ。両者の思惑がぶつかる一戦は熱戦必至だ。
[ 文:西川 結城 ]
