JリーグYBCルヴァンカップも準決勝に勝ち上がったFC東京は現在、15連戦というハードスケジュールの渦中。今節はその7戦目にあたる。通常ならばだいぶ疲労が蓄積してくるタイミングと考えられるが、長谷川 健太監督以下コーチングスタッフは層の厚い戦力をバランスよく入れ替えながら起用しており、2日に開催されたルヴァンカップ準々決勝・名古屋戦も、リーグ最少失点の堅守を誇る相手に3-0と圧勝。ディエゴ オリヴェイラを61分、永井 謙佑を74分にベンチに下げ、内田 宅哉とアダイウトンを途中起用。さらに83分にはこの日2得点の安部 柊斗とレアンドロを原 大智と三田 啓貴に交代させ、連戦に備えた。橋本 拳人が移籍した穴は髙萩 洋次郎が十分に埋め、室屋 成が空けた右SBでも複数人の若手が台頭しつつある。
FC東京がタレント揃いの分厚い選手層を誇るのとは対照的に、負傷者が続出している大分の台所事情は厳しい。明治安田J1第5節からはじまった5連敗の頃の混迷からは抜け出し、現在は内容も上向いて本来の姿を取り戻しているが、日替わりでコンディション不良のメンバーが現れる状態はいまだ続いており、戦力のやり繰りに頭を悩ませているようだ。
それでも前節の浦和戦では10節ぶりに町田 也真人が負傷から復帰すると攻撃にアクセントをもたらし、今後への期待を抱かせた。また、町田と同じく今季加入の香川 勇気は左ウイングバックで出場を重ね、精度高くバリエーション豊富なクロスで多くの好機を演出している。誰が出てくるか予想しづらいFC東京の右SBとのマッチアップが楽しみだ。
それぞれに特徴の顕著なFC東京のタレントたちのうち、誰がどのポジションで出てくるかによって、大分の戦い方も変化してくる。ホームゲームでもあり、先制して優位に試合を進めたいのは山々だが、次々に途中出場してくるFC東京の猛者たちにどう対応していくかも見どころだ。かつてG大阪でヘッドコーチとして長谷川監督の下で働いた片野坂 知宏監督は「コンタクトプレーを多くして奪ったボールを速い攻撃につなげる相手の土俵に乗らないためにも自分たちがボールを握り、狙いを表現できるような形で戦いたい」と話すとともに、予想されうる展開ごとに複数のプランを用意して師弟対決に臨む構えだ。昨季は2戦2敗しているだけに、今季こそ勝点を挙げたい思いは強い。
外国籍選手たちが躍動し、秀でた能力を誇る戦力が居並ぶFC東京が、今季の新たなスタイルでも大分を蹂躙するのか。そのパワーとスピードに負けじと、フィールドプレーヤー全員を日本国籍の選手で固める大分が、緻密に計算された組織的サッカーで強豪に一泡吹かせるか。いずれが勝っても面白い一戦になりそうだ。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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