試合後に「前半はどの時間帯も、われわれが思っていたようなプレーをすることができなくて、浦和が上回っていた」とC大阪のロティーナ監督が語ったように、決して悪い内容とは言えなかったが、C大阪の堅守を突き崩せず。
「崩さなくてもいい状況で点が取れることが一番良い」と試合前に大槻 毅監督が語っていたように、浦和としては自分たちの持ち味である縦に速い攻撃を繰り出したいところだったが、この試合ではそれほど攻撃スピードが上がらない。
「相手も帰陣が早くブロックをしっかり作って、やられたくないところをしっかり守っていくという速い守備が非常に機能していたと感じていました。そこで無理して攻めていくよりも、しっかりとボールを保持してという形にシフトしていった」(長澤 和輝)と、攻撃をシフトチェンジする場面が目立った。
徐々に取り組みが強化され、前々節・大分戦で一定の成果を見た“崩し”について自信が芽生えつつあったこともあってか、速攻と遅攻のどちらもやや中途半端になっていた印象もあるが、何よりC大阪の強固な守備陣に対してはまだまだ力不足だったということだろう。
順位表では7位となっているが、得点・失点ともにリーグ11位タイという現状を見つめつつ、少しずつできることを増やし、高めていきたいところ。鳥栖も10試合で10失点と堅守を誇るだけに、C大阪戦で出た課題に対して再トライを期待したい。
アウェイの鳥栖は前節、約1カ月ぶりの公式戦を戦った。新型コロナウイルス感染症のクラスターの発生から2週間の活動休止期間を経て、先月26日から活動を再開。そこからの準備期間はわずか10日間で迎えたホーム・横浜FC戦。
「グループ練習もまったく行っていない状況で、もちろん、この北部グラウンドも使用できない中で各選手たちが室内トレーニングを中心に調整していた」(小林 祐三)と、満足な調整を行えたとは言えず、感染症により入院していた金 明輝監督や選手・スタッフが合流したのは試合の前日。準備不足が懸念されたが、結果は3-0の快勝となった。
「戦術うんぬん抜きで、気持ちでしっかりと良い準備をして勝ってくれた」と金 明輝監督が語ったとおり、気迫のこもったプレーで横浜FCを圧倒。11分に「中断期間を言い訳にしたくもなかった」という金森 健志のゴールで先制すると、81分は大卒ルーキーの林 大地が追加点。さらに86分には相手CKから小屋松 知哉が独走して3点目を挙げる。
「陽性になった選手、陰性の選手、いろいろな立場でチームの大変な時期を過ごしましたけど、そういうときこそみんなで1つになって戦うべきだと思いますし、その真価が問われる試合でもあった」という小屋松の言葉どおりの激勝で再スタートを切った鳥栖は、ここから連勝と上位浮上を狙う。中止で消化できていない試合があるぶん過密日程を強いられるが、結束力でなんとか乗り越えていきたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
