前節・札幌戦ではそれまで無得点と苦しんでいた杉本 健勇に初ゴールが生まれる。最初の得点は味方が気遣ってのPKによるものだったが、続く20分は流れの中から。青木 拓矢のロングパスに呼応して札幌ディフェンスラインの裏に抜け出し、カバーに来た進藤 亮佑には体を強く当ててシュートのための空間を作り出す。そして飛び出してきたGK菅野 孝憲の股下を抜くシュートを決めた。
浦和は2-0とリードを広げたが、押し込まれて思うように反撃が繰り出せないまま、ジェイの2ゴールにより同点に追いつかれてしまう。さらに67分にはCKからのオウンゴールで逆転されてしまう。3枚の交代カードを切っていた浦和はさらに残りの2枚、山中 亮輔と汰木 康也を投入。するとその左サイドから、山中から汰木へと渡り、汰木がクロスを入れる。こぼれ球に槙野 智章が反応して同点に。さらに終了間際にはマルティノスの折り返しを柴戸 海が押し込み、浦和が勝ち越し。壮絶な打ち合いを制し、上位をキープしたままシーズン折り返しの試合を迎えることになった。
一方、進撃を続けるアウェイ・川崎Fは前節も5-1と快勝。前半こそ14分の1点に終わったが、一方的に広島陣内へ攻め続け、さらにはハーフタイムで2名を交代。そこからは堰を切ったように得点を重ね、気がつけば大量5得点の大勝。1試合平均で3得点以上を挙げており、川崎Fによる大量得点での勝利はもはやJリーグの日常となった感すらある。
ここまで17試合で52得点16失点。引き分けが2つで負けはわずかに1つ。選手層を存分に生かした戦い方で、強力アタッカー陣を相手に前半なんとか耐えたかと思えば、後半には同等以上クラスの、またタイプの違ったフレッシュな選手が投入されるのだからたまったものではない。
もはや勢いは止まりそうにもないが、そんな圧倒的首位・川崎Fだからこそ、浦和の力の見せどころだ。ここまで勝点27の6位と悪くないポジションにつけている浦和だが、今季より3年計画を掲げたチームは再構築の真っ最中。結果は上々ながら、先の札幌戦のように内容的には苦しい試合が続いている。
それでも少しずつ積み上げ、もがきながらじりじりと力をつけてきた。その浦和の現在地がどのあたりにあるのか、相手にとって不足はないどころか両手に余る川崎Fを相手に存分にぶつけて、前半戦の、3カ年計画6分の1期の総括としたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
