あれから8カ月が過ぎての再戦である。特に敗れた鹿島の選手には期するものがあるだろう。開幕戦でも先にビッグチャンスを作ったのは鹿島だった。開始3分にはエヴェラウドを起点に相手陣内に攻め込むと、前を向いてパスを受けたファン アラーノが鋭いシュートを放つ。GK大迫 敬介の左を抜いたシュートは右ポストを強襲、はじいたボールに左から詰めていた和泉 竜司が合わせるも、今度は左ポストに当たってしまう不運に見舞われた。あのシュートが入っていたら、鹿島のスタートはまったく違うものになっていたかもしれない。開幕4連敗という出遅れが、いまの順位に大きく影響を与えてしまった。
ただ、紆余曲折を経ながらも、チームは着実に成長を遂げてきた。開幕戦でも垣間見せた攻守の切り替えが鋭く、インテンシティーの高いプレーの連続は、ボールを奪い取るだけでなくゴールを奪うプレーにも結びつくようになってきた。21日開催の神戸戦で奪った先制点は、敵陣左サイドで奪ったボールを、ゴール前で待つ上田 綺世に素早くつなぎゴールに結びつけた。開幕戦の頃とは違う姿と言えるだろう。
対する広島も、前節の対戦相手は神戸だった。先週の日曜にホームで2-1の勝利を収めている。43分に右CKから佐々木 翔のヘディングシュートで先制すると、前半アディショナルタイムにもカウンターからレアンドロ ペレイラが力強いドリブルからそのまま豪快に蹴り込むシュートを決め、神戸から勝点3を奪った。親族に不幸のあった城福 浩監督不在の中での試合だったが、それを感じさせない内容だった。
両者のコンディションは如実な差があるだろう。先週の日曜からこの試合まで調整できた広島に対し、鹿島は日曜の札幌戦から中2日で神戸戦を戦い、さらに中2日でこの試合に臨まなければならない。鳥栖、札幌、神戸というアウェイ3連戦が終わり、ようやくホームに帰ってきたと思った試合を中2日で戦う。高いインテンシティーが求められる戦い方を基軸とするだけに、コンディションの調整とメンバー選考は簡単ではないだろう。
しかし、ザーゴ監督はつねづね「ホームでは勝たなければならない」と繰り返している。コンディションを言い訳にすることなく、ホームに集うサポーターのため勝利を届けることに全力を尽くすだろう。
広島もそのことを十分に理解した上で試合に入るだろう。キックオフから見逃せない試合となりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]

