ユアテックスタジアム仙台から勝点1を持ち帰ることになった広島の城福 浩監督は、試合後に勝点1に終わった悔しさと次戦への勝利に対する思いを、こう語っている。「ここに来たメンバーは、本当に悔しいと思っていると思います。誰よりも勝点3を取りたいと思っているメンバーで来たので。その悔しさとみんなの頑張りで得た今日の勝点1を、本当に次につなげないと意味がないと思うので、是が非でも次はホームで勝点3を取りたいなと思います」。
昭和電工ドーム大分で勝点1を積み重ねた浦和の西川 周作も、「まず勝点1に対しては最低限の結果」とし、「残り8試合は1つも落とせない試合が続くので、次この勝点1を『3』にするという意識を強く持って全員で戦っていきたいなと思います」と次戦を見据えていた。
浦和が9位。広島が10位。勝点3を積み上げていくことでしか上位進出を望めない状況にある中、今節は両チームが勝利にこだわった激しい戦いを繰り広げてくれることだろう。
注目したいのは、やはりアタッカーだ。
浦和は10月の6試合で一度も複数失点を許していない。槙野 智章と岩波 拓也がCBのコンビを組んだ明治安田J1第21節以降は安定感が増しており、無敗。攻撃陣の躍動感も増すことができれば、ラストスパートをかける態勢が整うはずだ。アウェイでの連戦が続いて準備期間は限られている中、大槻 毅監督は攻撃陣をどう構成していくのか。興梠 慎三と武藤 雄樹が先発を継続するのか。レオナルドや杉本 健勇をどう起用していくのか。チームとして最大のパワーを出すための人選とともに、ゴールに向かいたい。
広島は仙台遠征を回避して今節に備えているレアンドロ ペレイラに大きな期待がかかる。10月28日の第32節・横浜FM戦で先制点を奪いチームを勝利に導いたブラジル国籍ストライカーは、ペナルティーエリアでの決定力が研ぎ澄まされてきている状態だ。つまり、広島のポイントはレアンドロ ペレイラに届けるラストパスの質となるだろう。
シャドーでプレーする森島 司、エゼキエウ、浅野 雄也は好調だ。サイドプレーヤーの柏 好文と東 俊希、茶島 雄介らもチャンスを創出しており、仙台戦では特別指定選手の藤井 智也も果敢なプレーを見せた。それぞれが力を発揮してペナルティーエリアに多く進入して、レアンドロ ペレイラのフィニッシュにつなげていきたい。
浦和が1-0で勝利を収めた前半戦の対戦では、5分にレオナルドのゴールで先制したあとにアウェイの広島に攻め続けられた。ホームの浦和がゴール前で耐え続けるという、少々異質な展開となったが、今節はどうなるのか。いずれにせよ、立ち上がりから緊張感の張り詰めた試合になることは間違いないだろう。
[ 文:寺田 弘幸 ]