今月下旬からカタールでセントラル開催されるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の日程変更に伴い、12月19日の最終節から1カ月以上前にホーム最終戦となる異例のスケジュールだ。横浜FMはまだ1カ月以上もシーズンを残す中、日産スタジアムでサポーターにリーグ戦での雄姿を見せられる機会は今季ラストとなる。入場制限も緩和され、相手が浦和ということも相まって、大勢のサポーターが詰めかける見通し。その期待に応えるためにも絶対に勝たなければならない一戦だ。
ただ、最近の戦いに目を向けると、低調だ。先月末に22連戦を黒星で終えると、3日の明治安田J1第31節・鹿島戦では2-3で敗れ、さらに11日の第26節・湘南戦を0-1で落として、今季二度目の3連敗となった。その湘南戦ではマルコス ジュニオールを3トップの中央に置く新布陣でスタートしたが、「最初の15分はバタついてしまった」(天野 純)と出だしでつまずく。ハーフタイムに交代策で手を打った後半は良化を見せたが、相手が狙っていたセットプレーから失点すると、ゴール前を固めた5バックの攻略法を編み出せず、約3カ月ぶりの無得点で敗れた。
課題は2つ。決定力と引いた相手の攻略法だ。前者は「最後は個の質」と天野が言うように、一朝一夕に改善できるものではないので、ここでは後者にフォーカスする。小池 龍太は言う。
「スペースをどう使うのか、押し込んだときにどう割って入るのかはすごく課題。単調な攻撃にならないためにも、一人ひとりが的確なポジションを取らないといけない」 ここ5試合で[4-3-3]に戻して以降、ブロックを敷く相手を崩す術がなかなか定まらない。その“崩す”入り口について、「共通認識を持ち、どういったボールが入れば、3人目が動くかをすり合わせる必要がある」と小池。
それに付随する要素が距離感だ。湘南戦では押し込む展開の中、人と人の距離が近過ぎて、ノッキングする場面が散見された。ただ、小池は解決の道筋も描いている。「相手のタイミングを外しやすい距離感を一人ひとりが感じることが大事。フィニッシュの形がぼんやりすると、自分たちの良さは出てこないので、崩す3人やフィニッシャーを入れての4人で狙いを明確にしないといけない」。中2日ではあるが、それを改善できたかどうかを推し量る上で、いまの浦和は格好の相手であろう。
その浦和は6戦負けなしと一時の不調を脱した感がある。6試合のうち勝ち星こそ3つにとどまるが、6試合での失点はわずか『3』。安定した守備を手にしたことが、課題だった攻撃に好影響を及ぼしている。
その攻撃陣を引っ張るのがエース・興梠 慎三。直近5試合で5ゴールと一気に本来の姿を取り戻してきた。3日の広島戦ではJ1通算156点目となる今季9点目をマーク。歴代3位の記録にあと1点に迫るとともに、J1史上初となる9年連続2ケタ得点にも王手をかけた。衰え知らずの34歳の大記録達成にも大きな注目が集まる。
[ 文:大林 洋平 ]

