苦境のど真ん中に陥り、脱出する糸口を見いだせずにもがいている神戸。3日の第26節・清水戦を皮切りに横浜FC、G大阪に敗れ、湘南戦を加えて4連敗。およそ1カ月前、10月10日の第21節・柏戦で敗れて以降、勝利したのは10月28日の第30節・仙台戦のみで、1勝1分7敗という厳しい戦績となっている。
さらに、自慢の攻撃力も停滞気味だ。ボール保持というチームスタイルこそ発揮しているものの、ここ2戦は無得点。4連敗中に2得点しか挙げられず、精彩も欠いている。アンドレス イニエスタらを軸としたポゼッション力に定評ある神戸に対し、堅い守備で徹底抗戦するのは相手チームの常道的な策でもあり、その組織されたディフェンスを上回るだけのクオリティーを発揮できていないとも換言できる。悩ましい状況だ。
今節はホーム最終戦となるが、ホームで勝点3を挙げたのは9月30日の第29節・名古屋戦(1○0)までさかのぼる。その試合ではアンドレス イニエスタがチームメートとのパス交換から圧巻のゴールを決めたが、あの華麗なチームプレーは本来、神戸の真骨頂のはず。持ち前のパスワークを復活させ、ホームサポーターの歓喜を呼び起こしたいところ。
そして、今節を終えれば、いよいよ目標として掲げる“アジアNo.1”を懸けたACLの戦いがカタールで再開する。2007年度、17年度のACLを制覇し、昨年度のACLで決勝までコマを進めた浦和とこのタイミングで相まみえることは最高のシチュエーションとも言えるだろう。昨季のリーグ戦を3連勝で締めくくり、クラブ悲願の初タイトル、天皇杯制覇につなげたように、かつてのアジアチャンピオンかつ昨年度のファイナリストを破ってACLでの快進撃につなげる――。壮行的な意味も含め、勝利することで確固たる士気を築き上げたい一戦となる。
その一方で、浦和もまた、アウェイといえどもなんとしても勝ちたい試合だ。現在、28試合を消化し、積み上げた勝点は『42』。10月10日の第21節・鳥栖戦に勝利したあと、3勝3分と負けなしで上位進出をにらんできたが、直近の試合では横浜FMに2-6という大味なスコアで敗戦。リーグ戦の残り試合数も『6』と少なくなる中で、痛恨の敗戦だった。それでも、9位につける現状を脱し、最後まで上の順位を求めて全速力で駆け抜けることが目標とするACL出場権獲得のためには必須だ。8月23日の第12節で対戦した神戸には1-2で敗れており、ノエビアスタジアム神戸でリベンジを期す。最終盤への勢いを得る勝利を求めて90分を戦い抜くことになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
