名古屋戦の大敗はチームの成長に大きなブレーキを掛けた。せっかく上積みの成果が出てきたチームがまたしても沈んでしまうのではないか。中3日で迎えた第31節・神戸戦のピッチにはまた自信を失った姿があるのではないかと心配されたが「やってきたことがすべて台無しというわけではない」と橋岡 大樹が語っていたように、それは杞憂に終わった。
序盤は神戸にボールを握られて自陣に押し込まれる時間帯が続き、ともすれば精神的ダメージを引きずっているかのように見えた。実際のところは「前半から給水(タイム)くらいまではわれわれも慎重に入った部分があった」(大槻 毅監督)と、ノエビアスタジアム神戸の独特の芝や守備時の立ち位置の修正に苦労していた影響が大きかったようだ。
最初のチャンスは神戸に作られたものの、徐々に反撃を開始し、試合を五分に持ち込んでいく。横浜FM戦まで試合間隔が空いた直後の連戦とあって、若干の重たさは感じられ、諸手を上げて拍手をするような場面こそ少なかったものの、チャンスを作られても決定機までは持ち込ませず、大きなミスもなく、丹念に試合を進めていった。
そして83分、左サイドのハーフウェーライン付近で山中 亮輔が相手ボールをカットすると、すかさず縦に仕掛ける。レオナルドのポストプレーを受けた山中はさらに加速し、それに呼応したマルティノスが逆サイドから全力でゴール前に走り込む。山中が放ったクロスはキレイにディフェンスラインを避けて通るような弧を描き、マルティノスが利き足とは逆で合わせたシュートはゴール右隅へ吸い込まれた。
これが決勝点となり、浦和は連敗を回避。大敗のダメージをすぐさま払しょくして次の試合へと向かうことができた。これでシーズン残り5試合となったが、数字上はまだACL圏内進出の可能性は残されている。とはいえ現実的には厳しい状態なのも確か。「来季を見据えたメンバー」という思考も頭をよぎるが、今節は約1カ月ぶりのホーム戦。若手にせよベテランにせよ、目の前の試合に勝つための、その時点でのベストメンバーが埼玉スタジアム2002のピッチに送り出されるだろう。
対するG大阪も、前節は0-4で敗戦。宇佐美 貴史、井手口 陽介、三浦 弦太らを欠いていたとはいえ、12戦負けなし状態からのいきなりの大敗だった。ミッドウィークに試合がなかったため中7日と十分な間隔を空けられたため、負傷者も戻ってくる見込みだ。
大敗ショックを打ち払った浦和か、打ち払いたいG大阪か。パナソニック スタジアム 吹田での対戦では浦和が3-1で勝利しており、G大阪としては借りを返すとともに、2位の座をしっかりとキープしたいところ。一方の浦和も上位進出に望みをつなぐとともに、今季あと3試合となったホームの観衆になんとしても勝利を届けたい一戦となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
