広島は、リーグ再開直後の第3節・大分戦で逆転負けを喫してから、4試合勝てない時期を過ごした。第10節・浦和戦で完封で負けてから、4試合勝てない時期もあった。第16節には等々力陸上競技場で川崎F相手に1-5の大敗を経験している。タイムアップのホイッスルを聞いて悔しさをかみしめた試合は多くあったが、その経験を糧にしながらチームは前進してきた。
現在は、7試合無敗。前節の湘南戦は後半に相手を圧倒しながらも勝ち越し点を奪えず、悔しさをかみしめた試合の1つとなったが、後半に強い出力を放出し続けた川辺 駿、森島 司、浅野 雄也ら若い選手たちのプレーは、見る者の心を揺さぶる魅力的なものだった。
主将の佐々木 翔をはじめ、青山 敏弘、柏 好文、林 卓人らベテランも強烈な存在感を放っている中、試合で果敢にトライを続けた若い選手たちが頼もしさを増してきている。残り4試合に関してもアグレッシブな姿を見せてくれるはずだ。
札幌も苦しい時期を過ごしたシーズンだった。第8節の神戸戦に2-3で競り負けると、9試合勝てない時期があった。札幌ドームで川崎Fに6ゴールを奪われて敗れ、浦和には痛恨の逆転負けを喫した。厳しい敗戦も経験してきたが、将来のクラブを担っていくだろう才能が台頭してきている。
“大卒トリオ”の田中 駿汰、高嶺 朋樹、金子 拓郎は主力選手となっており、第26節に等々力陸上競技場で川崎Fを2-0で破った一戦にも3選手はそろって先発出場している。63歳になったペトロヴィッチ監督はク ソンユンや鈴木 武蔵がシーズン途中に移籍しても戦術的に積極的なトライを続けて、そして若手は経験を積み、着実にチームの力になってきた。
今節もアグレッシブなプレーを見せてくれるに違いない若い選手たちに注目したい。青山と宮澤 裕樹のゲームをコントロールする力や、ゴール前で違いを見せつける助っ人、レアンドロ ペレイラやジェイ、アンデルソン ロペスの存在はもちろんだが、森島と田中が繰り広げるマッチアップや川辺と高嶺が攻撃に加えていく変化が、勝敗を大きく左右するはずだ。
若い選手の躍動は、育成を重視する両クラブにとって重要度の高いものでもある。今季はこれまでと違った形でのサポートも呼びかけてきたファン・サポーターに、ピッチの上で若い才能が思い切りぶつかり合う、ドキドキワクワクする試合を展開してもらいたい。
[ 文:寺田 弘幸 ]