湘南は現在リーグワーストの28得点。32試合を消化し、1試合平均の得点数が1点を下回っており、この5試合も複数得点のゲームが一度もない。前節の浦和戦(0△0)も優勢に試合を進め、シュート数は相手の倍を記録したが、最後までネットを揺らすことができなかった。10月から11月にかけては3連勝を含む6戦負けなしと波に乗ったものの、ここに来て再び苦しい戦いが続いている。
ただ、試合内容は決して悲観するものではなく、特に前々節・G大阪戦(1●2)や浦和戦と高い個の能力を誇る相手と対等以上に渡り合い、どちらに転ぶか分からないというゲームを演じたことは前向きに捉えることができる。主将の岡本 拓也も「勝てていないからといって何かを変える必要はまったくない」と言い切っており、チームの積み上げに手ごたえを感じている様子だ。
また、この終盤戦は多くの若手が出場機会を得ていることも明るい材料だ。前節における先発11人の平均年齢は23.64歳。最終ラインは舘 幸希、石原 広教、田中 聡という“低身長トリオ”が躍動し、柴田 壮介や畑 大雅という10代の面々もスタメン出場を続けている。特に11試合連続先発中と左サイドの定位置を確保している畑は、前節も得意の突破から好機を演出するなど、日を追うごとに存在感が増すばかり。一方で、「危機感も感じている」と満足の色を見せることなく、「ゴールやアシストという結果にこだわりたい」と自覚を口にする。いずれの選手も単なる試合経験にとどまらず、それぞれの役割の中で高いパフォーマンスを発揮していることは、クラブの未来においても大きな意味を持つはずだ。
一方の大分は直近5試合でわずか2得点と、こちらも得点力に大きな課題を残している。ホーム最終戦となった前節の札幌戦は、野村 直輝の今季3得点目で先制に成功したものの、守勢に回った後半に同点ゴールを献上。最後は「なんとか勝点1をもぎ取った」(片野坂 知宏監督)という展開だった。
ただ、この終盤戦で厳しい日程に置かれている環境にも触れる必要がある。12月はいずれも中2日や中3日のペースで試合が組まれており、今節が5連戦のうちの4試合目。片野坂監督は難しいやり繰りを強いられている。
それでも、同じくミッドウィークに行われた明治安田J1第27節の柏戦では、先発7人を入れ替えながらも好内容を披露。今節も柏戦のようなターンオーバーが予想されるが、指揮官は自信を持って選手たちを送り出すことができるはずだ。その柏戦では星 雄次や前田 凌佑、三平 和司とすでに契約満了が発表された選手たちもピッチに立っており、今節はそんな彼らのパフォーマンスにも注目が集まる。
両者の前回対戦は湘南が2点を先行しながらも、大分が終盤に猛攻を仕掛け、2-2のドロー決着となった。互いに6試合ぶりの勝利を懸けて臨む一戦。トンネルを抜け出すのは果たしてどちらか。
[ 文:林口 翼 ]
