FC東京はグループステージを2位で突破。しかし、ラウンド16で北京中赫国安に0-1で敗れてしまった。その試合から1週間足らずで迎えた明治安田J1第31節・広島戦は、アジアの戦いで疲弊した多数の主力を休ませ、若手主体で臨んだ。広島のパスワークとサイド攻撃に翻ろうされながらも粘り強く戦い、後半に挙げたルーキー・中村 帆高のプロ初ゴールを守り切り、白星を手にした。
その広島戦では、特にACLでの出場機会が少ない選手や、カタール遠征に帯同できず東京に残り練習に励んでいた選手たちが奮闘した。CBにはカタール行きがかなわなかった若手の木村 誠二と、ACLでは1試合の出場にとどまったベテランの丹羽 大輝のコンビが好守備を見せ、中盤でも三田 啓貴が周囲の若い選手たちをけん引し、存在感を発揮。そして途中出場した紺野 和也が得意のドリブルに加え、今季向上した守備意識も示すなど、「個々で悔しい思いを抱えた選手たちが今日は意地を見せた」(中村 帆高)ことが僅差の勝利につながった。
迎えるリーグ戦の最終節。FC東京にとっての今季最終戦は、まだ先にある。2021年1月4日に控える、JリーグYBCルヴァンカップ決勝。国立競技場で柏と対決するこの試合に勝利し、タイトル獲得という有終の美でシーズンを締めたいところだ。その大事な一戦に向けて、いま一度主力勢の試合勘やコンディションの調整が不可欠で、その意味でもこの神戸戦は広島戦を休んだ多くの主力が復帰する可能性は高い。一方で、広島戦で活躍した若手を中心にした選手たちも「メンバーに入って試合に絡みたい」(紺野)と、チャンスを虎視眈々と狙っている。彼らの混合がシーズン最終盤でチームを活性化し、神戸戦の勝利をもってルヴァンカップ決勝に向かうことが、FC東京にとって最高のシナリオだ。
対する神戸はACLのグループステージを首位で突破。ラウンド16では中国の強豪・上海上港を2-0で下し、さらに準々決勝も韓国の水原三星とPK戦までもつれ込む激闘を制し、準決勝にコマを進めた。ただ、続く蔚山との対決ではこちらも延長まで突入するも1-2で競り負け、アジアの頂点まであと少しのところで挑戦の歩みが止まってしまった。
さらに心配なニュースとして、ACLでもチームの大黒柱としてプレーしたアンドレス イニエスタが、ラウンド16の上海上港戦で負った右太ももの負傷が重く、大会敗退後にスペインのバルセロナの病院に向かい検査を受けた。診断の結果、右大腿直筋近位部腱断裂で全治4カ月となり、15日には緊急手術も行った。今季、苦しいシーズンの中でチームを支えてきた名手の不在は神戸にとって心身ともに痛恨だが、同じくACLでも好プレーが際立った山口 蛍をはじめ、そのほかの選手たちが今季最終戦でアジアベスト4の意地を見せられるかに注目が集まる。
[ 文:西川 結城 ]
