「開幕戦、“神奈川ダービー”ということですごく気合いも入っていますし、ここで勝つことができれば勢いも出てくると思う。注目される一戦だと思いますし、勝ち切ることはすごく重要。良い準備をして臨みたい」 今季、Jリーグとしてのヒーロー候補、川崎Fの三笘 薫はそう話している。
FUJI XEROX SUPER CUPを20日に戦った姿で分かるように、今季も[4-3-3]のシステムを採用する川崎F。両サイドの三笘、家長 昭博を突破役や起点にしながらゴール前に攻め込んでいく果敢なスタイルを志向している。3トップの頂点が似合い、そして自身でもベストなポジションだと語るレアンドロ ダミアン、それにFUJI XEROX SUPER CUPで決勝ゴールを決めた小林 悠も出番を虎視眈々とうかがう。大島 僚太、登里 享平が不在でもG大阪を圧倒した前半の姿があったように、その攻撃力は健在。「見ている人に楽しんでもらえるように、やっているほうも楽しいサッカーをする」という鬼木 達監督の下、相手を蹂躙するフットボールを開幕戦から見せたいところ。
ただ、攻撃サッカーならば横浜FMも負けていない。エリキ、ジュニオール サントスという昨季のチーム得点王2人が離れたとはいえ、一昨季のJリーグMVPである仲川 輝人は負傷も癒えていてアクセル全開。今季は新たに[3-4-3]のシステムも採用しているといい、前田 大然、オナイウ 阿道らが前線を預かる。守備陣では速くて強くて高いチアゴ マルチンス、それに畠中 槙之輔や新加入の岩田 智輝といった日本代表経験者がそろう。川崎Fの連覇に待ったをかける存在として、神奈川のライバルは初戦に照準を合わせていることだろう。
昨季の対戦は、日産スタジアムで行われた第14節、そして等々力陸上競技場で行われた第30節と、同じ3-1のスコアで川崎Fが勝利をつかんでいる。昨季の2試合では三笘に計3ゴールを許しているように相性が良いとはいえない。ただ、一昨季の第33節は横浜FMが敵地で4-1という大勝。リーグ戦でスコアレスドローに終わった試合は2012年までさかのぼらなければならない。開幕から、バチバチと音の出るような激しい攻め合いが期待される。
緊急事態宣言が続き、観客は5,000人以下と制限のある中でのリーグ開幕となった。キックオフは18時からと変更にもなっている。それでも、19日にはチケットが完売になったように、等々力陸上競技場に集うファン・サポーターは待ち望んだ日を前に気持ちを高めている。それは、選手たちも同じ。
「リーグ戦の開幕戦というのは別物。相手のマリノスも今週末の開幕戦にすべてを合わせてきていると思う。もう一度、自分たちのできたこと、やりたいことをきちんと整理して、自信を持ってやりたい」 川崎Fの主将、谷口 彰悟は堂々と試合に臨むことを決意表明している。26日18時、キックオフの瞬間が待ち遠しい。
[ 文:田中 直希 ]


