清水にとってのホーム開幕戦となる今節は、サポーターにとって大きな期待を持って迎えられることになるだろう。
今オフにロティーナ監督を始め、数多くの選手を補強。それも、それぞれのチームのレギュラークラスを集めてきた。その成果はさっそく表れた。開幕戦はアウェイの鹿島戦。ザーゴ監督が就任して2年目、また選手も昨季同様のメンバーで戦う盤石の鹿島に、後半に先制点を許すが、そこから新戦力のチアゴ サンタナの同点弾を皮切りにゴールを量産。終わってみれば3-1の快勝となった。
逆転劇を演じた攻撃陣もさることながら、注目されたのは守備だ。2019、2020年と2シーズン連続でリーグ最多失点だった守備陣が、セットプレーからの1失点に抑えた。日本代表GK権田 修一のファインセーブに助けられた部分はあるにせよ、組織立った守備陣が大きく崩れることはなかった。また、JリーグYBCルヴァンカップの開幕戦でも、メンバーを大幅に替えつつ広島の攻撃を無失点に抑えており、チームとしてロティーナ監督の戦術が浸透しつつあることを証明している。
そうした堅い守備をもって、清水が次に目指すのは完封勝利ということになるだろう。それは、昨季二度しか達成できなかったことだ。
「ホームでわれわれのファン・サポーターの前でプレーしたいと誰もが思っているし、とてもワクワクした気持ちでいる」(ロティーナ監督) 清水はいまのところ、この試合をポジティブな気持ちで臨むことができそうだ。
一方、2020シーズンの明治安田J2において、42試合でわずか29失点と圧倒的な守備力を誇ってJ1に返り咲いた福岡だが、久しぶりのJ1の舞台では苦戦が続いている。3日に行われたルヴァンカップAグループ第1節では、14分にペナルティーエリア内のハンドでPKを与えるなど、前半だけで3失点。結果的には1点差の敗戦となったが、「全体としては善戦したかな、という気持ちと、ミスが簡単に失点につながってしまっているようでは、もちろん勝点は取れないなという感想です」と長谷部 茂利監督が自嘲気味に話すなど、まだうまくチームとして回っていない様子がうかがえる。また、「イージーな失点を減らしていき、僕らの強みである堅い守備をまた構築できたらなと思います」と88分にゴールを決めた“ミスターアビスパ”城後 寿も話すように、守備の立て直しは急務だ。
リーグ開幕戦でも、優勝候補の1つと目される名古屋を相手に序盤の4分に失点し、後半に入っても55分に追加点を許してしまった。失点はこの2つだったが、それ以上の差を見せつけられてしまった内容だった。
福岡としては、まず1勝という、今季J1を戦う上での起点を早く作りたい。そのカギを握るのは、やはり守備になりそうだ。
[ 文:田中 芳樹 ]

