川崎F戦では結果的に大敗となったものの、先制されるまでの約40分間はボールを握り、川崎Fのプレスをいなし、相手にボールを奪われても激しいプレッシングで攻撃を封じるという、昨季王者のお株を奪う戦いぶりを披露した。
“良い時間帯”の質は向上してきているため、それをどこまで伸ばせるか、どこまでチャンスや決定機につなげられるかがカギだ。ルヴァンカップの柏戦では失点を恐れて慎重になったのか、柏が積極的に奪いにこなかったからか、なかなか攻撃スピードが上がらず、安全にボールを運ぼうとし過ぎていた。まずはボール保持率をチャンスへ直結させたい。
柏戦終了後、西 大伍が「僕らは練習で用意したことを表現するんですけど、相手は相手でやり方があるので、そればっかりにならずに試合の中で選手たちが必要に応じたプレーをやっていければいいかなと思いました」と語ったように、結果が出ない中でも自分たちのサッカーを貫こうとするあまり、逆に柔軟性と積極性を欠く状態に陥っているのかもしれない。
明治安田J1第1節・FC東京戦や第3節・横浜FC戦のように、先制点を挙げることができれば、安定したボール保持とプレッシングで試合を支配することも可能だ。それだけに、どんな形であれまず先手をとりたいところ。ケガから復帰した西から興梠 慎三への“古巣戦ホットライン”にも期待したい。
鹿島とは昨季、1勝1敗の痛み分けに終わっている。リーグ再開直後の第4節は1-0と競り勝ったものの、第30節のアウェイ戦では0-4と完敗。敗戦の記憶のほうが、チームにもファンにも色濃く残っているだろう。宿敵・鹿島への雪辱をもって、反撃の狼煙としたい一戦になる。
一方の鹿島も、ここまで1勝1分3敗の15位と数字は芳しくないが、直近のルヴァンカップAグループ第2節・福岡戦では5-1と大勝。こちらは一足先に息を吹き返した格好で埼玉スタジアム2002に乗り込んでくる。
福岡戦の得点はほとんどがセットプレーからだったとはいえ、ゴールラッシュによってチームの勢いは増しているはず。特に負傷から復帰した上田 綺世が2ゴールを挙げたことは大きい。浦和としては、昨季も県立カシマサッカースタジアムの対戦では上田の先制点に出はなをくじかれただけに、警戒して臨みたい。
13位と15位という、これまでの歴史や“格”に見合わない現状を抱える両クラブの対戦。どちらが浮上のきっかけをつかむのかが注目される。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
