神戸は前節、アウェイで仙台を2-0で破った。前々節・札幌戦では0-3から後半一気の4得点で大逆転勝利を飾る大味な90分を戦っていたが、打って変わって前半に挙げた2得点を最後まで守り切る手堅いゲームを演じている。
攻撃面では日本代表から戻った古橋 亨梧の活躍が光った。15分にセルジ サンペールからの浮き球のパスを引き出し、華麗に先制点を決めるとわずか6分後、右CKを菊池 流帆の頭に正確に合わせ、2得点目をお膳立てした。スピードやドリブル、確かな足元の技術を駆使し、前線で“違い”を作り続ける古橋。チームを勝利に導くプレーの数々は圧巻の一語だ。
さらに守備においては、ハードワークを最後まで維持した連動性は見逃せない。仙台のパスワークに対し、[4-4-2]のディフェンスラインを構築。CBやGKに果敢なプレッシングを仕掛け、相手が手詰まりになれば一気にラインを上げて襲いかかっていく。相手にリズムを作らせることなく自らのペースに持ち込み、ボールを回収すれば速攻と遅攻を的確に使い分けながら圧倒していく。攻め込まれても前線を含めたプレスバックで素早く対応するなど、守備意識の高さは現在5位と好調なチームの力の源泉になっている。
三浦 淳寛監督は仙台戦の振り返りで、「得点シーンは今週、セットプレーのトレーニングと背後への抜け出し、ここに時間を割いたので、それから得点が生まれたことは非常に良かった」と語り、選手たちがピッチで遂げた確かな成果を口にしている。その試合に向けた準備を着実な結果に結びつけたことは、選手それぞれのベクトルがそろい、チーム全体が同じ方向を向いていることの証左でもあるだろう。今季初の連勝にも浮かれることはなく、地に足つけた戦いを継続しながら目の前の敵を撃破していく機運は強そうだ。
一方の大分は、3連敗中と厳しい状況に陥っている。明治安田J1第5節・C大阪戦で0-1の敗戦を喫すると、続く前々節・広島戦は1-3。長沢 駿のゴールで先制するも、終盤に逆転されてしまった。そして昨季J1王者のホームに乗り込んだ前節・川崎F戦では、持ち味を発揮する場面こそあったが、相手のパスワークやディフェンスの強度を前に難しい90分に陥り、前後半それぞれ三笘 薫に得点を許した末、0-2で敗れている。
試合を振り返った片野坂 知宏監督は「選手は準備してきたことをしっかりやってくれたと思うし、チャレンジしてくれた。その姿勢は私としても良かったと思うし、どういう相手になったとしても今後に生かすことができる部分になった」とコメント。敗れこそしたが、選手の姿勢を評価し、チームとしての取り組みが前進していることに確信を抱いている。川崎Fと似たサッカーのスタイルを有する今節の神戸戦へ向けて、前節の経験をいかにぶつけていくかは大きなポイントになるだろう。
両者は開幕戦の直後に行われたJリーグYBCルヴァンカップBグループ第1節ですでに対戦。ともに先発メンバーを大きく入れ替えて臨んだ一戦となり、藤本 一輝のゴールで大分が先制したものの、増山 朝陽、中坂 勇哉、田中 順也が得点を挙げた神戸が3-1で勝利を収めている。
[ 文:小野 慶太 ]
