札幌は前節、ホームで鹿島と対戦して2-2の引き分け。開始20分で2点を先行される苦しい展開を強いられたが、26分にリスタートから田中 駿汰がうまく流し込んで1点差に迫ると、70分には金子 拓郎が得たPKをアンデルソン ロペスが決めて同点に。その後は押し込みながらもカウンターからピンチを迎えたりと、一進一退の攻防を続けながらタイムアップ。ホームでの勝点1をどう評価するかは分かれるところだが、2点差を追いついて得た勝点の価値は小さくないだろう。
ここまでの戦いぶりは悪いものではない。上位チームと競った試合をしているし、複数得点を挙げている試合はいくつもある。そして、前節のように2点差をつけられても追いつく粘り強さも兼ね備えている。しかし、そうした内容がうまく結果に反映できず、14位になっているというのが現状だろう。1つ、良いきっかけが欲しいタイミングである。
一方、敵地に乗り込む横浜FMは前節、仙台と対戦して0-0のドロー。ほとんどの時間でボールを保持して圧力を掛けながらも、相手の手厚い守備をうまく崩すことができず、良い形でシュートを放てなかった。パスをつないでも守備網を突破できず、そうした時間を長く続けたままタイムアップを迎えてしまった。
横浜FMには勝負を決め切るためのあと一歩が足りなかったようにも思える。ここまでの試合を振り返ると、非常に安定感のある戦いを演じていると評価するべきだろう。開幕戦こそ昨季王者の川崎Fに敗れてしまったが、その後はほぼすべての試合で主導権を握り現在は7戦無敗中。特徴であるハイテンポのパスサッカーは研究されて難しい試合は増えているが、成熟度をより高めることで他チームの対策を地力で上回っていきそうなのが現在の横浜FMだ。
今節で焦点となるのは、札幌のマンツーマン戦術と横浜FMのパスサッカーの激突だろう。現在の札幌はハイプレスを土台とする徹底したマンツーマンディフェンスを織り交ぜる戦いをしているが、それを最初に導入したのが昨年7月の横浜FM戦だった。その試合では横浜FMのパスワークをマンマークで寸断して、3-1で快勝している。
果たして、今季の対戦ではどういった展開が繰り広げられるのだろうか。どちらもプレースタイルにブレがないチームなだけに、互いのストロングポイントが真正面からぶつかり合う可能性が高い。金曜の夜に熱いバトルを堪能できそうである。
[ 文:斉藤 宏則 ]

