大分はここまで13試合を終えて、2勝3分8敗の勝点9で17位。就任6年目の片野坂 知宏監督の下、攻守ともに多くの人数が関わる組織を磨く。昨季から多くの選手が入れ替わったが、その中でも戦術の浸透を進める。例えば、今季より加わった坂 圭祐や福森 健太も最終ラインから機を見て押し上げたり、高い位置へ駆け上がって攻撃に厚みを加える動きを体得。センターラインではボランチの小林 裕紀らが引き締め役を果たす。
前節・鳥栖戦では開始早々に失点を許したものの、粘りを見せて追いつく。終盤にはPKから勝ち越す機会も得たが、決め切ることができなかった。しかし、苦しい戦いが続いている中で、この展開に持ち込めたことは自信になる。同点ゴールを決めた長沢 駿は昨季まで仙台に所属していたということでも注目だが、今季から大分のセンターFWとして存在感を見せている。長身を生かしたヘッドなどでゴールに迫ることはもちろん、守備でも最前線から献身的なプレスを見せる。
一方、仙台は1勝4分9敗の勝点7で19位。今季より手倉森 誠監督を迎えてチーム再建を図っているが、なかなか結果は出ない。ただ、第12節・柏戦では西村 拓真のゴールを守り切り、今季初勝利にして518日ぶりのホームゲーム勝利を飾った。今節はそのときに続くホームゲーム勝利を目指す。直近のホーム戦である前節・福岡戦では、押し気味に試合を進めながら点を決めることができず、終盤の失点に泣いた。その悔しさを晴らすためにも、大分戦での勝利が必要な状況にある。
仙台は4月17日のJ1第10節・横浜FC戦から公式戦が13試合続く状況にあり、総力を挙げて選手を入れ替えながら戦っている。手倉森監督が「鍛え上げる連戦だ」とチームに呼びかけるように、どの選手の組み合わせでも戦術を浸透させて、粘り強く結果を出せるようなチームを作ろうとしている。いまはその途上だが、徐々にコンパクトな守備陣形から素早い攻撃に切り替えるスタイルが見られるようになってきた。例えば、5月12日の第20節・川崎F戦では、直近の公式戦から8人の先発を入れ替えて臨んだが、王者相手に敵地で2回追いつき、2-2で勝点1をもぎ取ることができた。果敢なドリブラー・氣田 亮真や、ポストプレーやランニングで力強さを見せる皆川 佑介といった今季加入戦力のフィットが進んでおり、5月に合流したフォギーニョも対人守備の巧みさを見せてチームを助けようとしている。今節はこうした戦力の順応が結果に結びつくかが問われる。19日のJリーグYBCルヴァンカップDグループ第6節・広島戦では、攻守がかみ合って3-0と大勝。この勢いを大分戦につなげようとしている。
リーグ戦も3分の1を消化した状態で、両チームとも巻き返しを図る一歩としたいところ。その意地が、好プレーを呼び込む試合となりそうだ。
[ 文:板垣 晴朗 ]


