柏戦の4日前、埼玉スタジアム2002に乗り込んで浦和との対戦に臨んだ神戸。この試合では長いリハビリを乗り越えて途中出場での復帰を果たしていた主将・アンドレス イニエスタが今季初の先発出場を飾ったが、持ち前のポゼッションと整備された守備で相手を寄せつけない圧巻の内容。ところが後半開始早々に許した失点が重くのしかかり、最終的に0-2で敗れている。今季三度目の黒星はあまりにも残念な負け方だった。
それを踏まえて臨んだのが26日の柏戦だった。浦和戦直後や柏戦の前日に三浦 淳寛監督が強調したのは、自分たち本来の力をしっかりとピッチで表現することの大切さ。その指揮官の下、神戸は柏戦で激しい攻守の戦いぶりを見せ、浦和戦と真逆に後半開始30秒ほどで先制点を奪い、山口 蛍の流れるようなカウンターからのクロスでオウンゴールを呼び、2-1で勝利を収めている。
試合を振り返った三浦監督は、「浦和戦の敗戦から時間はそんなになかったですが、修正できた部分もけっこうありましたし、この勝利は大きい1つの勝ちかなと、後半戦につながっていくのかなと思う」と評価。目標とするAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得のために勝利が欲しかった中で、攻守の組織力がさらに磨かれたことを確認できた一戦でもあった。
神戸は前節を欠場していたアンドレス イニエスタの復帰が視野に入り、日本代表に選出されている古橋 亨梧をはじめ、山口や酒井 高徳らは連戦下でもハイパフォーマンスを持続している。ただ、今節迎え撃つ相手はさらなる強敵と覚悟し、迎撃態勢を取らなければならないだろう。鳥栖は9勝5分3敗で3位につけ、首位・川崎F、2位・名古屋を追撃する最右翼に立つ。
開幕3連勝を飾るなど、好発進を切った今季の鳥栖。4月前半に3つの敗戦を喫するなど停滞した時期もあったが、明治安田J1第10節・名古屋戦に勝利して以降、ここ7戦無敗。今季初の逆転勝ちを飾った前々節では、相馬 直樹監督就任以降は負けなしが続いていた鹿島に黒星をつけ、前節は苦手の札幌と敵地で0-0と引き分ける粘り強さも見せた。
金 明輝監督の下、昨季から築き上げてきたボールを保持して主導権を握る戦いも前進の一途をたどる。それを体現する選手のパフォーマンスは魅力的で、松岡 大起や樋口 雄太、2種登録の中野 伸哉ら育成組織出身者の高いクオリティーも特筆すべき長所。さらに相手の力をたくみに活用する戦術的な柔軟性も見逃せない持ち味だ。
9得点の古橋と8得点の山下 敬大によるストライカー対決をはじめ見どころ多彩だが、素早い攻守の切り替えや球際の激しさなど、守備でも躍動感を発揮するのが両チームの真骨頂。高いインテンシティーのぶつかり合いを制するのは果たしてどちらか。今節要注目のマッチアップとなる。
[ 文:小野 慶太 ]
