ただ、天皇杯の結果は対照的だった。16日にJ3のYS横浜と対戦した鹿島は、磨いてきた速い攻撃が機能し8得点を奪う圧勝となった。エヴェラウドと遠藤 康が2得点を挙げれば、後半から出場した上田 綺世がハットトリックを決めるなど、期待される選手たちがきっちり結果を残した。
一方の仙台は厳しい結果に終わった。9日にJ3の岩手と対戦すると、開始2分に奪われた先制点を返すことができず0-1の敗戦を喫し、カテゴリーが下の相手にジャイアントキリングを許してしまった。開始早々、出はなをくじかれたことでペースを乱され、「攻撃のところでも慌てさせられて精度を欠いた」と手倉森 誠監督は振り返っていた。
今季開幕から苦しんできた仙台にとっては、5月に入ってようやく結果が出始めてきたところでの敗戦は実に痛い。JリーグYBCルヴァンカップ・Dグループで広島に3-0の快勝を収めて以降、リーグ戦でも大分、名古屋と連勝し、C大阪とも引き分け、3試合連続で勝点を奪うことができていた。まだJ2降格圏の18 位ではあるものの、リーグ戦直近5試合を見ても2勝2分1敗と、勝点を取れるようになってきただけに、この敗戦を払しょくしたいところだろう。前線でボールを収められるフェリペ カルドーゾが公式戦初先発するなど、得た経験値をリーグ戦につなげたい。
彼らを迎え撃つ鹿島はルヴァンカップでプライムステージ進出を決め、天皇杯も快勝したが、リーグ戦は川崎Fに敗れて以来の試合となる。「非常に悔しい負け」(相馬 直樹監督)から立ち上がり、上位進出の足がかりとしたいところだ。
試合の前提として、日程の間隔がまったく違うところがどう影響するだろうか。鹿島が中3日でこの試合を迎えるのに対し、仙台はかなり間隔が空く。仙台は天皇杯でも同じように間隔が空いているところで、中2日の岩手に敗れている。準備期間を大きく取れる反面、試合感覚が薄れ、連戦の相手のテンションまで引き上げるのが難しいところもあるだろう。前回の失敗をこの鹿島戦で生かしたい。
両者の対戦は、現在鹿島が5連勝と圧倒している。昨季の県立カシマサッカースタジアムの試合では、小泉 慶のアシストからエヴェラウドが先制点を奪うと、後半にはロングパスを受けた上田が安定したファーストタッチから仕掛け、豪快に右足を振り抜き追加点を奪い、鹿島が2-1と勝利した。今回も注目はやはりこの2人になるだろう。体調不良から復帰したエヴェラウドが公式戦2試合連続ゴールを決めている。また上田もU-24日本代表で貫禄を見せ、クラブに戻ると天皇杯でいきなりの3得点と好調ぶりをアピールする。仙台とすれば彼らを止めることが至上命令となりそうだ。
[ 文:田中 滋 ]

