横浜FMは直近の第17節・清水戦で強固なブロックを敷いた相手に苦しんだが、終盤にレオ セアラが決勝点を奪い、三度目の連勝を手にした。5月は第14節・鹿島戦こそショッキングな5失点大敗を喫したが、その後は持ち直し、JリーグYBCルヴァンカップを含めた公式戦で5勝2分1敗と好調を維持して終えた。
しかし、カップ戦が続いた6月に状況は暗転する。札幌と対戦した6日のルヴァンカッププレーオフステージ第1戦を引き分けると、9日の天皇杯2回戦ではアマチュアのHonda FCにPK戦の末に敗れて敗退。その翌日にはアンジェ ポステコグルー監督の退任、およびセルティック(スコットランド)の新指揮官就任を発表。心の拠りどころでもあった名将を失ったチームは、ホームで迎えたルヴァンカッププレーオフステージ第2戦を1-3で落とし、わずか1週間の間で2つのタイトルが消滅した。つまり、横浜FMに今季残されたタイトルはリーグ戦のみ。ACL組と比べて試合消化数が少ないだけに、中断期間までの4試合の重要度は非常に高い。
好材料は日本代表に追加招集されたオナイウ 阿道、U-24日本代表に招集された前田 大然が戻ってくることだろう。特にオナイウは15日のW杯アジア2次予選・キルギス代表戦でハットトリックを達成し、今季クラブで示していた実力をあらためて証明した。不在の間に敗れた2つのカップ戦では、1トップの迫力不足は否めず、かかる期待は大きい。
対する鳥栖は8戦無敗と、いたって順調なシーズンを過ごしている。最近は引き分けが多い印象だが、裏を返せば簡単に負けない印象だ。ここまで一度も複数失点を喫しておらず、守備の堅さが際立っている。
堅守の中心にいるのは、今節が古巣戦となる朴 一圭。ビッグセーブや広範にわたるカバーで最後方からチームを支える。その上、GKではリーグトップクラスの足元の技術でビルドアップの起点にもなり、もはや欠かせない人材である。そして、今節は鳥栖に加入して以来、初の“凱旋試合”。非常に高いモチベーションで、慣れ親しんだニッパツ三ツ沢球技場に乗り込んでくることは想像に難くない。細かくデザインされた攻撃の起点となる背番号40の“一挙手一投足”は要注目だろう。
リーグ1、2の運動量を誇る両者の対決。横浜FMはテンポの速さで鳥栖を凌駕するのか。鳥栖はいかに横浜FMのプレッシングを外すのか。戦術的にも多くの見どころがあるだけに、幅広い層が楽しめる一戦だ。
[ 文:大林 洋平 ]
