鹿島は6月に入って公式戦5試合を3勝2分と無敗で過ごしてはいるものの、それはJリーグYBCルヴァンカップのプレーオフステージ2試合と天皇杯1試合が加わっているからこそ。リーグ戦に限るとここ5試合は1勝2分2敗と明らかにペースが落ちている。なんとか流れを変えたいところだ。
対する札幌は直近のリーグ戦5試合で3勝1分1敗と悪くない結果を残している。川崎Fには敗れたものの、柏、大分を撃破。アンデルソン ロペスが移籍した穴を感じさせない。またルヴァンカップや天皇杯も加えると5勝3分の8戦無敗と、内容に結果が伴うようになってきた。
鹿島は前節、大分に対してシュート3本のスコアレスドローに終わった。無得点に終わったことについて聞かれた相馬監督は、「まずは相手の背中に入っていくというところ」と指摘した。その上でパスのテンポやタイミング、その精度や攻撃のアイディアについて「もう1つ(上げることが)必要なのかなと感じています」と続けた。ただ、大分戦から中3日で迎える今節、そこまで準備を重ねることは難しい。4連戦で戦ってきた日程も、このあとは1週間余りの時間が生まれる。だからこそ、ここで結果を残しておきたいところだ。
札幌は水曜に試合がなかったため、前回の公式戦は先週末にさかのぼる。くしくもその相手は3日後に鹿島と対戦することになる大分だった。その試合では金子 拓郎の鮮やかな2ゴールで21分までに2点のリードを奪うと、その後も危なげない試合運びで大分の攻撃を封じ、快勝を収めている。ゼロトップをこなした荒野 拓馬が空けたスペースに金子やチャナティップなどスピードとテクニックを兼ね備えた選手が飛び込んでいく攻撃は多彩。後ろからの組み立ても高嶺 朋樹や駒井 善成、宮澤 裕樹が高いレベルで安定しており、試合を通じて札幌がペースを握ることができていた。ペトロヴィッチ監督も「立ち上がりから激しい戦いの中で主導権を握ってリードし、追加点を奪った中で勝利に値する試合をしたと思います」と、満足げな表情を浮かべ、2得点を挙げた金子については「ここから夏の移籍が始まります。彼がどこかにもっていかれないかという心配をしなければいけません」と、冗談を交えながらその活躍を称えていた。
両者はルヴァンカップでも同グループだったため、今回が今季4度目の対戦となる。明治安田J1第9節で対戦したときには、札幌はそこまで良い内容ではなく、鹿島が2点をリードしたものの、前半のうちに1点を返され、後半にも失点を重ね2-2で終わっている。その後、鹿島は指揮官を代え、相馬監督になってからは鹿島の1勝1分となっている。さすがに4度目の対戦ともなれば相手の手のうちはよく分かっている。その中でお互いにどこから突破口を開くことになるだろうか。それぞれの選手の活躍が期待される一戦だ。
[ 文:田中 滋 ]

