「こういうタフなスケジュールの中で、この初戦で勝点3を取れたのは自信にもつながる」と松波監督は勝利の重みを話したが、息をつく暇もなく、彼らの連戦は続いていく。「ハードでなく、超ハード」と指揮官自身も認めるように、東京五輪開催中にも延期された試合が組み込まれているG大阪は夏場に過密日程が待っている。
17位に浮上したG大阪は今節勝利すれば、15位に順位を上げることができる。J2降格圏脱出を懸けた一戦、パナソニック スタジアム 吹田に迎えるのは神戸だ。中3日の連戦となるが、中2日で6試合を戦い抜いたACLでもターンオーバーに近い戦い方でやり繰りしてきただけに、福岡戦とまったく同じメンバーで戦うことはないはずだ。“神戸キラー”でもある宇佐美 貴史にシュート意識が高まっているのは好材料であり、神戸に対して相性が良いパトリックも福岡戦でゴールを叩き出している。「出場時間が長かろうと短かろうと出場機会をもらえれば、絶対に決めるという気持ちを持っている」とパトリックは話すが、前節のサブスタートはあくまでも連戦をにらんだマネジメントの一環だ。
直近4試合は3勝1分と負けなしが続いており、勝利した試合はすべてFW陣がゴールを決めている。そして、ACLでは不用意な失点に泣いた守備陣も福岡戦では無失点。菅沼 駿哉や佐藤 瑶大もACLのピッチに立っているだけに、最終ラインの構成にも注目だ。初めて対戦する外国籍FWに得点を奪われがちなだけに、神戸のアユブ マシカの速さにはとりわけ注意が必要だ。
一方、3位につける神戸は直近の明治安田J1第20節でC大阪と対戦。神戸でのラストマッチとなった古橋 亨梧が先制点を挙げたが、終了間際に痛恨の同点ゴールを献上。痛いドローに終わり、4連勝を逃してしまった。得点ランクトップとなる15得点を叩き出していた古橋のセルティックへの完全移籍が発表され(今後、現地でのメディカルチェック等を経て、正式契約が結ばれる予定)、絶対的エースを欠いて挑む最初の一戦だ。三浦 淳寛監督が送り出す攻撃陣の顔ぶれには注目したい。
ホーム3連戦の初戦でより勢いをつけたいG大阪と、古橋の移籍ショックを乗り越えたい神戸。対照的な順位にいる両者だが、モチベーションの高さはまったく同じである。
[ 文:下薗 昌記 ]
