福岡が7試合未勝利、C大阪が10戦未勝利となかなか勝点3を取れない状況だ。福岡は前節、退場者を出して数的不利な状況の中、後半アディショナルタイムに主将・前 寛之の執念のゴールで追いつき、連敗を『5』で止めた。一方のC大阪は前節・仙台戦を0-0で終え、5試合連続の引き分けとなった。ただ、東京五輪から戻った瀬古 歩夢の働きもあり、明治安田J1第10節・浦和戦以来の無失点で終えた。
つまり、互いに苦しい流れを変えるきっかけになりそうな貴重な端緒を手にしたのだ。それをうまく生かせるかどうかという意味で、今節が両チームにとって重要な一戦になるということだ。
長谷部監督は「C大阪はとにかくタレントがそろっていて攻撃的に戦い、攻撃力が高いチーム。GKから全員そういう選手がそろっていると思うので、これまで同様に自分たちは守備をしっかりやらないといけない」と今節のポイントについて話す。福岡の守備は昨季から定評があり、第10節からの6連勝の際にも、粘り強く堅い守備が好調の要因となっていたが、第17節から連敗が続いたときは早い時間帯での失点が不調の要因となった。第21節のG大阪戦の失点は後半終盤、前節の広島戦も後半に失ったもので、堅守が戻りつつある状況だ。
中断期間で取り組んだ成果として広島戦で表れたのは、個人に対する守備強度を高めながら連動性も伴う、チームの強みである組織的な守備の実践だった。それまでは個への強度が物足りない、そこを満たそうとすると連動性が不十分なものになるという状態だったのだ。
改善に手ごたえを感じる中で迎える今節も、タレント揃いのC大阪攻撃陣に対して強度と連動性を伴った守備で対応できるかが、8試合ぶりの勝利のカギを握る。そういう意味では、出場停止の志知 孝明の代役として出場する選手の働きも重要になりそうだ。
対するC大阪は失点を抑えたという前節の手ごたえを生かしながら、勝利のための得点を奪いにいく、そのバランスをどう取るかがカギ。守備意識の高い福岡を相手に、どういう揺さぶりを掛けていくのか。福岡の守備の堅さを考えると、個々の特徴を生かすのは当然として、組織としてそれを強く押し出していく意志を持ち続けることも重要になる。
福岡は守備、C大阪は攻撃。スタイルを発揮するための“粘り”を見せられるかどうかが、勝敗を分けるポイントになる。
[ 文:島田 徹 ]


