14勝4分8敗で勝点46の名古屋は現在3連勝中。一時は6試合未勝利と苦しい時期もあったが、ベースとなる守備を立て直し、上位をキープした。その3連勝はすべて無失点で勝利したが、薄氷を踏む思いだったことも確かだ。丸山 祐市や山﨑 凌吾といった長期離脱組はもとより、ガブリエル シャビエルや相馬 勇紀、木本 恭生なども故障を抱えている様子。メンバー選考に苦労を重ね、その中でできる対策をとって勝星をつかんできた。
逆に言えば、多くの主力を欠く中で、これまで出番の少なかった選手たちが勝ち試合に絡んで自信をつけたことは、今後に向けてポジティブな材料だ。AFCチャンピオンズリーグの影響で、今後も過密日程が続くことが予想される。ケガだけでなく累積警告も懸念される中で、ラストスパートに向けてチームの総力を上げられたことは大きい。
前節・札幌戦の勝利を受け、マッシモ フィッカデンティ監督は「今日は普段それほど試合に出続けていない選手がいる中で、自分たちがどう守るかをしっかり整理した。守備に関しては森下 龍矢を少し下げて[5-3-2]にしたり、中盤を4人に変更したりしたが、選手はよく理解してやってくれた」と振り返る。序盤戦のように、ガッチリと固定したメンバーでなくても勝利につなげられる。この勢いをなくさないためにも、今節もまずは無失点での勝利を目指したい。
対する清水は、中断明けの第23節から4試合を2分2敗と勝ち切れない試合が続いている。前節は鹿島に序盤から押し込まれて先制点を奪われると、セットプレーのチャンスも決め切れず、前半の内に追加点を許してしまう。後半に入って攻勢を掛けたが、なかなかフィニッシュまで持ち込めず、逆にミスから3点目を失うと、終了間際に1点を追加されて0-4の敗戦となった。
思わぬ大差にロティーナ監督は、「試合に勝つためには不十分だった」としながらも、「トレーニングしてきたビルドアップやフィニッシュまでの形は出ていて、チャンスは作れていた」と前を向く。夏の移籍期間には鳥栖から松岡 大起、神戸から藤本 憲明、広島から井林 章など外国籍選手も含めて大型補強を敢行した清水。それらの選手が馴染めば、力が上向くことは間違いない。戦いを進めながらチームの総合力を上げていきたい。
現在の状況としては名古屋が有利に見えるが、うまくいかないこともサッカーではよくあること。名古屋は水を漏らさぬ戦いを完遂すること、清水はJ1残留に向けていかに早く新メンバーがフィットするか。現在だけではなく、先を見据えた部分にも注目したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
