徳島は前節・名古屋戦で守備にアレンジを加えた。敗戦ながら粘り強い戦いを発揮して、「全員で1つになってやろうとすることをできたことや、守備の時間も焦れることなく、全員攻撃・全員守備をより体現できた時間帯が多かったのではないかと感じています」と福岡 将太が話すとおり、最終ラインの奮闘とGK長谷川 徹の活躍は目を見張るものがあった。これを今節に生かしたい。
ただ、懸念材料も多い。名古屋戦には杉森 考起が帯同しておらず、状況が変化していなければ離脱したままになるだろう。また6得点でチームトップスコアラーの宮代 大聖は川崎Fからの期限付き移籍中で契約条件によって出場できない。加えて、攻守において多くの役割を担い、チーム最多のスプリント回数を誇る右SB岸本 武流が名古屋戦で退場処分を受けて出場停止。主力級選手が3名不在の中で首位・川崎Fに挑まなければならない。
一方で大きなトピックスもある。9月8日に合流した新加入のムシャガ バケンガが本格的に稼働し始めている。チームの印象について「守備ラインは堅く、チャンスも作り出せていた。最後の5%(フィニッシュ)で苦戦していただけなので、自分はチームに貢献できるプレーにつなげられるのではないか」とムシャガ バケンガは言葉にしている。先発できるかどうかは不透明だが、ベンチ入りする可能性は高いだろう。状況を打開する起爆剤となるかどうか注目したい。
一方の川崎Fは肉体的にも精神的にもコンディションが気になる状況。アウェイ戦続きだった過酷な8月を乗り切ったが、直近では9月14日に開催されたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16を韓国の地で戦ったばかり。そして、同試合では90分で決着がつかず、120分を走った。体力的な負荷も気がかりながら、PK戦で敗戦を喫して目標としてきたACLが終わりを告げてしまった精神的な負荷もあるだろう。また、三笘 薫や田中 碧が海外移籍したことによってチームは再構築中であり、旗手 怜央、谷口 彰悟、大島 僚太は負傷離脱。ACLでは山村 和也が負傷交代するアクシデントもあったばかりだ。タイトなスケジュールではあるが、気持ちを切り替えて最善の策で今節・徳島戦に臨みたい。
徳島は降格圏脱出のきっかけをつかむために、川崎Fは王者の底力を証明するために。勝利を目指す。
[ 文:柏原 敏 ]


