「今までセットプレーでなかなか点を取れなかったですが、今日2点取れたというところでは、非常に心理的にもラクになった部分はあった」と松波 正信監督が振り返ったように、柏戦では宇佐美 貴史がセットプレーから1ゴール1アシスト。エースの復調がチームに勢いをもたらしているのは間違いない。
J1残留争いで安全圏に抜け出したとは言い難いだけに、札幌戦で目指すのは当然ながら勝点3のみである。柏戦で倉田 秋が負傷交代し、昌子 源はコンディションの問題でベンチから外れるなど満身創痍のチーム状態が続くが、トップ下に入る宇佐美には期待したい。
7月30日に行われた札幌との前回対戦は2-0で勝ち切ってはいるものの、シュート数では札幌が15本に対してG大阪は7本と劣勢を強いられた。松波監督は「ボールを非常に握るのがうまいチームなので、守備のところは継続してやらなきゃいけないと思う」と札幌に対する前線からの守備を課題に掲げているが、いまのG大阪が目指すのは手堅いカウンターサッカーではない。
「速い攻めプラス、ボールを握るというところをもう少しできないと、今日みたいに押し込まれる展開がずっと続いてしまう。遅攻になったときのボールの動かし方、人の動き方というところはやっていかないといけない」と、柏戦後に反省を口にした松波監督。ボール保持に長ける札幌に対して、ボールの支配率を高めることで守りの時間を減らしたい考えだ。
そこでキーマンとなるのが、やはり宇佐美である。「自分のポジションで攻撃を機能させるという意識でいる。ゴール、アシストなど得点を作り出すプレーも多くできると思うし、自分もゴールを仕留めるプレーを構築していきたい」と2戦連発に向けて意気込んでいる。同学年で小学校時代から知る間柄でもある、駒井 善成とのマッチアップにも注目だ。
G大阪とは対照的に、札幌は袋小路に入ったままである。前節は広島に敗れ、直近の6試合は1勝5敗。敗れた試合はすべてノーゴールに終わっており、極度の得点力不足にあえいでいる。「チャンスを決められず、チームが抱える問題が浮き彫りになった」とペトロヴィッチ監督は広島戦を振り返ったが、チャンス自体は作り出しているだけにフィニッシュの精度が課題になる。
今節はG大阪の『30周年記念マッチ』と銘打たれている。コロナ禍の影響で思わぬ低迷を強いられているが、クラブにとっての節目の一戦を勝点3で飾れるか。
[ 文:下薗 昌記 ]
